G1は人を笑顔にし、時には泣かせる。普段のプロレスとは違うシングルマッチの連続の中に、多くの喜怒哀楽を見せてもらった。こけし本間が初勝利を挙げたときの後楽園ホール。カウント3の瞬間、観客席のみんながバンザイしていた。リングと観客席が一体になって、同じ幸せを共有した瞬間、心が震えた。
同じ後楽園で見た後藤-石井の壮絶な試合。観客席から勝った後藤にではなく負けた石井に対し「石井コール」が起こった。泣いているファンもいた。負けてなお、観客を感動させる全力勝負の石井のプロレスは、間違いなくG1を盛り上げた。そして、最後の両国。棚橋と中邑の戦いは、長い長いG1を締めくくるにふさわしい試合だった。全91試合のシングル戦。今年も素晴らしい試合の連続だった。20人のG1戦士、それぞれの思いの詰まった試合を見せてもらった。【桝田朗】