巡業中は、若い行司も大忙し。木村豊彦さんは三役格行司・木村玉治郎さんの付け人を務める合間を縫って〝角界のキムタク〟こと、新弟子行司、木村拓哉さん（17＝千賀ノ浦）が苦悶（くもん）する表情を見事に描いてくれました。「普段はあまり人は描かないんですよ」と謙遜しながら、すぐに顔写真を撮ってイメージを膨らませる力の入れよう。高２から本格的に描き始め、主にタブレット端末を駆使してオリジナルのロボットやキャラクターを次々と生み出します。「イメージ力ですかね。絵もイメージ、字もイメージが大事なんです」と、本業にも生かされているようです。

　木村拓哉さんは初めての巡業参加で、ドタバタの毎日。「怒られてばっかりです。（絵は）うれしいです」と、はにかみながら初々しく答えてくれました。もともとは保育士になるのが夢だったそうですが、両親の知人の紹介で入門を決意。本名の「森川」から、偶然にも超有名人と同姓同名になりました。本家キムタクはドラマ「ＨＥＲＯ」の映画に出演するなど活躍中で「意識せずにはいられなくなりました。自分も行司として一人前になりたい」と、角界のヒーローをめざして日々、特訓中です。