生活習慣病の1つに脂肪肝がありますが、それに発酵食品がよい可能性が出てきました。

運動量が足りずにカロリーを取りすぎると、体のあちこちに脂肪がたまり、特に肝臓にたまると脂肪肝になり、肝炎になってしまいます。この症状が進むと、肝臓がんに進行してしまいます。肝臓に脂肪がたまると、肝臓の働きも悪くなり、体がだるく感じてしまうようにもなります。このような生活習慣病が進むと、万が一新型コロナウイルスにかかったときにも死亡率が上がってしまうことがわかっています。

このような脂肪肝を、食品で予防することはできないのでしょうか。

こうしたもので報告されているのが、大麦の食物繊維や、こんにゃくなどに含まれるグルコマンナンなどで、これらを食べると肝臓のコレステロールを下げ、脂肪肝を改善することが示されてきました。

最近、我々は、日本の発酵食品にも同じように、肝臓のコレステロールを下げ、脂肪肝を改善する可能性があることを発見しています。

日本の発酵食品の多くに含まれている麹(こうじ)の成分の1つであるグリコシルセラミドを抽出精製して肥満状態のねずみに与えると、肝臓のコレステロールが下がったのです。麹グリコシルセラミドを給餌したねずみでは肝臓の代謝が活性化しており、コレステロールが胆汁酸に変換されて糞(ふん)中に排泄(はいせつ)されていました。このことから、日本の発酵食品を多く食べれば、脂肪肝を改善する可能性が示されたと言えるでしょう。麹グリコシルセラミドがたくさん取れるのは味噌(みそ)、酒粕(かす)、濁り酒、塩麹などです。運動不足になりがちなこの時期、我々の肝臓を守るためにも、これらの発酵食品を積極的に取るようにしましょう!