発酵食品は体にいいのでしょうか? 病気なので発酵食品を食べたほうがいいでしょうか? という質問をよくいただきます。
まず、発酵食品は薬のように病気を治すことをエビデンスとして厚生労働省に認可されたものではありません。病気なら、まずは医師の診察を受け、薬を投与してもらうのが確実です。
それでは、発酵食品は病気とまったく関係ないのか、というと、それもまた否だと思います。
西洋医学が日本に入ってきて150年ほどたちますが、現在の薬というのは西洋医学の「病気とは、何か悪い原因があり、それをたたけば治る」という考え方で作られたものです。しかし、日本で1000年以上続いてきた伝統医療や発酵食品などは、そうした考え方とはそぐわないため、検証が十分に進んでいません。
しかし、例えば江戸時代に健康を維持する生活習慣について書かれた養生訓でも、味噌(みそ)は「性(成分)がやわらかで、脾胃の働きを補うものである」と記載されています。
他にも、中国の明時代に書かれた本草綱目でも紅麹(こうじ)は「主に消化を良くし、血液の流れを促進し、脾臓(ひぞう)や胃の機能を改善する」と書かれています。
なにより、発酵食品には1000年を超える食経験があり、適度に食べて問題ないことは歴史が証明しています。ただ、発酵食品の健康機能を研究する研究者が少なく、エビデンスが確立していないことは考慮する必要はあります。
特定の病気を治すため、という目的に合致するかはわかりませんが、迷ったら発酵食品を食べておけば、問題は少ないだろうということは言えるでしょう。ではどんな健康効果があるのか? どのようなメカニズムで健康効果をもたらすのか? については、これからの研究にご期待ください!