[ 2014年6月24日8時12分 ]<W杯:スペイン3-0オーストラリア>◇1次リーグB組◇23日◇クリチバ

 前回王者スペイン(FIFAランク1位)が、オーストラリア(同62位)との最終戦で意地の1勝を挙げた。

 先手を取った。前半36分、右サイドのMFイニエスタからオーバーラップしていたDFフアンフランへ縦のスルーパスが通った。フアンフランは相手DFを置き去りにし、そのままゴール前にグラウンダーのクロス。走り込んだFWビリャは、いったんボールをまたぎ、右足ヒールで技ありの先制ゴールを流しこんだ。

 スペインの地元紙で、ビリャは今大会を最後に代表を引退すると報道されており、後半の選手交代でベンチに戻ったビリャは頭を抱え、どこか寂しげに“最後のW杯”をかみしめている様子だった。

 そんなビリャのゴールに勢いづいたスペインの攻撃陣が本来の実力を見せつけた。後半24分、中央のMFイニエスタからDFライン裏のスルーパスにFWフェルナンドトレスが反応、落ち着いてゴール右隅に2点目を決めた。

 勢いは止まらず同37分には、後半途中出場のMFセスクの左クロスを受けたMFマタが、相手GKと1対1となり、余裕の“マタ抜きゴール”でダメ押しした。

 オーストラリアは、決定力を欠き無得点。今大会3敗で終わった。

 スペインは優勝候補として、イタリア、ブラジルに次ぐ3カ国目の大会連覇に期待がかかったが、初戦のオランダに1-5の大敗。ショックを引きずったまま、2戦目もチリに完封負けを喫し、最終戦を前に1次リーグ敗退が決まっていた。

 シャビ、イニエスタ、フェルナンドトレスらスター軍団は、自慢のパスワークで世界を魅了することなく1勝2敗で幕を閉じた。