[ 2014年7月15日6時59分
紙面から ]
プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長(74)が14日、ドイツ(西ドイツ)がアルゼンチンを破って優勝した90年大会決勝を振り返った。当時、NHKのゲスト解説として現地で生観戦。その言葉は、24年間の歴史の重みを感じさせる。
王氏
またドイツが優勝しましたね。24年前、初めてサッカーの試合を見て、驚いたのはお客さんの数。サッカーが好きな人がこんなにいるのかと、言葉になりませんでした。国旗を顔に描いている人がいて、今はフェースペイントも当たり前ですが、びっくりでした。
まだ日本代表がW杯と無縁だった時代。NHKは少しでも大会の認知度を高めるために「世界の王」を引っ張り出した。今にして思えば唐突だが、野球ファンにもサッカーを知ってほしいという思いからだ。
王氏
正直な感想は「もどかしい」でした。野球のように手が使えませんしね。パスをするにもタイミングが合わず、前後にずれちゃう。その難しさの中でゴールを決めるのが素晴らしい。そこに至るまでもどかしくても、決まった瞬間は最高にエキサイトしますね。
当時はJリーグ開幕前。日本サッカーに、ようやくわずかな光が当たり出した頃だった。93年のJリーグ開幕戦も川淵チェアマンの誘いで観戦した王会長は、その後の急成長に驚く。
王氏
日本でも、一気にサッカー熱が高まりましたね。以前はそれほどメディアにも出なかったと思いますが、今は日本代表を扱うものも多く、選手たちのプレッシャーも大きくなりました。
06年のWBCで日本代表を世界一に導いただけに、サッカーの日本代表も気になる。今大会を見て、正直な感想を口にした。
王氏
今回、日本代表は残念な結果でした。90分を戦い、延長もPK戦も戦い抜くには、体力的にも大変。これは永遠の課題でしょうが、世界の頂点に立つには技術的なもの、そしてそれ以上に体力の部分が大きいのではと思いました。