特別連載「ザ・真相-AKB48選抜総選挙」の第3回は、総選挙では必須ワードとなった「神7(かみセブン)」の由来です。かつての前田敦子、大島優子ら人気メンバーを指したこの造語は、今も総選挙の上位7位以内を表す時に使われています。一体、どこでどうやって生み出された造語だったのか? あらためて検証しました。
神7という造語は、第1回と第2回で前田、大島、篠田麻里子、渡辺麻友、高橋みなみ、小嶋陽菜、板野友美が、連続でトップ7に入ったことで確立された。
ただ、初期からのファンみすとさんは「総選挙前に明確な序列はなくて、強いていうならば篠田さんは、チームAでは高橋さんや小嶋さん、板野さんよりも格下の感じで、初の総選挙の3位には驚きました」。大島ファンのJINさんも「上位はAの1期生ばかりと予想していたので、Kの2期生の優子ちゃんの2位は予想外でした」と振り返った。高橋や小嶋、板野より上位に大島、篠田、渡辺が入ったことで、自然とトップ3やトップ5では区切りづらい雰囲気になった。
一方、第1回総選挙直前の09年春には週刊プレイボーイがAKBを表紙に初起用していた。同誌編集者は「この時ビキニ姿でハイソックスをはかせたんです。この斬新なグラビアが好評で、そのスタイリスト米村弘光氏までが、ファンから神と呼ばれるようになったんです」。当時のAKBは名曲を神曲と呼んだり、何ごとも「神」と名付けることがはやっていた。
そんな背景の中で、その週プレが総選挙ランクインメンバーによるムック本「AKB48水着サプライズ」を発売。7人を表紙に掲載した。「センターを作るために3人や5人の奇数にしなきゃいけない。さらに、グラビア人気のあった小嶋さんを、どうしても表紙に載せたかった。だから6位も入る7人になりました」と同編集者は明かした。
週プレが最初に選んだ7人が、翌年の第2回でもトップ7を維持したことで、AKBの顔は決定的となった。同時期の神を名付ける流行と相まって、自然と神7(かみなな)と呼ばれるようになり、その後のテレビバラエティー番組がAKBを紹介する際に、より語呂の良い「かみセブン」と表現し始めて、神7は定着していった。【瀬津真也】