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主演女優賞-松たか子「ヴィヨンの妻」

主演女優賞の松たか子は壇上で会心の笑顔を見せる(撮影・蔦林史峰)子
主演女優賞の松たか子は壇上で会心の笑顔を見せる(撮影・蔦林史峰)

【授賞式記事】

 受賞作「ヴィヨンの妻―」の撮影から1年以上が経過したが、松は改めて根岸吉太郎監督らスタッフ、共演者への感謝を口にした。「私は大して面白くもおかしくもない人間ですが、すてきなスタッフに恵まれました。辛抱強く待ってくれる監督と照明、美術のスタッフがチームワークでじっくりじっくりと撮ってくれた。最高の夫に愛され、魅力的な俳優さんと共演でき、私は役に愛情を持って現場にいただけです。スタッフのおかげと感謝しています」。

 この映画ですでに3つの映画賞を受賞し、来年以降も受賞の数は増えそうだが、松におごりはない。「またスタート位置に戻って、来年以降もやっていきたい。これを励みに焦らないで謙虚に修業していきたい」。来年6月には湊かなえさんの同名小説をもとにした主演映画「告白」が公開される。「1カ月の舞台をやるように、1日に凝縮された撮影が続きました。きちんと実を結んでくれると思います」。4月にはケラリーノ・サンドロヴィッチ演出・上演台本のシアターコクーン公演「2人の夫とわたしの事情」が控えるが「喜劇と銘打った芝居はやったことがない。力を抜いた感じでできるか楽しみです」。

 実はこの日は2回目の結婚記念日。07年12月28日に音楽プロデューサー佐橋佳幸さん(48)との婚姻届を提出した。司会の露木茂さんから「特別な日ですね。今日は何か予定していますか」と向けられると「そうですね。特には…」と恥ずかしそうに応じたが「お互いに無事に仕事ができて、健康でいられる。いろいろなことを乗り越えて、2年目を迎えられたことをうれしく思います」と気持ちを新たにしていた。

[2009年12月29日 紙面から]

 ◆松(まつ)たか子 本名・佐橋隆子。1977年(昭和52)6月10日、東京都生まれ。父は9代目松本幸四郎。兄は市川染五郎。姉は女優松本紀保。93年初舞台。「ロングバケーション」「ラブジェネレーション」など人気ドラマに出演。96年にNHK紅白歌合戦の紅組司会を務め、97年に歌手デビューした。

 ◆「ヴィヨンの妻」 流行の人気作家でありながら、生きることに苦しみ、酒や女におぼれる〝ダメ男〟の大谷(浅野忠信)。そんな夫を精神的にも経済的にも支えながら、一筋に愛し続ける妻・佐知(松)の姿を描く。太宰治の同名小説が原作。根岸吉太郎監督。

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 1987年(昭和62)に亡くなった、戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設。石原プロモーションが運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得て、スケールの大きな作品に贈られるのが石原裕次郎賞。裕次郎さんをほうふつとさせる将来性豊かな、映画デビュー5年以内の新人に贈られるのが、石原裕次郎新人賞(今回は該当者なし)。賞金は各300万円、100万円。




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