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新人賞ー仲里依紗「ゼブラーマン−ゼブラシティの逆襲−」「時をかける少女」

仲里依紗
新人賞を受賞し笑顔を見せる仲里依紗(撮影・野上伸悟)

【受賞発表記事】

 新人賞は、仲里依紗(21)が受賞した。「ゼブラーマン ―ゼブラシティの逆襲―」(三池崇史監督)ではボンデージ衣装の極悪キャラ、ゼブラクイーンではじけ、「時をかける少女」(谷口正晃監督)ではみずみずしい女子高生を演じた。「対照的な2つの役で新人賞をもらえてすごくうれしい。今しか取れない賞だから、新人やったー、という感じです」と笑顔をみせた。

 どんな世界観にもハマる演技力と芝居度胸の良さに定評があり、変幻自在ぶりに多くの監督が「仕事をしてみたい女優」に名前を挙げる。「ゼブラーマン―」では、ボンデージ衣装で高笑いしながら人間をなぶり殺し。衣装について「最初に見た時は『布が少ないなぁ』と思いました」と笑い「中途半端なのが嫌いなので、自分の限界を突破して挑戦しました」。

 一方の「時をかける少女」は、これまで何度も映像化されたタイムスリップの名作ラブストーリー。「過去の作品も考えちゃうし、普通の女の子の役が一番難しかった」と振り返る。別れの場面やラストシーンでの仲のボロ泣きは、話題になった。「監督のスタートの声がかかると勝手にスイッチが入って体が動くのが分かる。後で映像をチェックして、自分で自分が不思議な時がありますね」。

 子供のころから女優になるなど1度も考えたことがなかった。妹がオーディションに写真を送るという「よくある話」で芸能界入りした。「最初は遊び半分、いい思い出になればという気分だった。いろんな人に『良かった』と言ってもらううちに、真剣に芝居をやっていこうと思った。いろんな役に挑戦したい。やりがいのある仕事に出会えて幸せです」。【梅田恵子】

[2010年12月2日 紙面から]

 ◆仲里依紗(なか・りいさ)1989年(平元)10月18日、長崎県生まれ。少女漫画雑誌のモデルオーディションで特別賞を受賞したのを機に芸能界入り。06年、アニメ映画「時をかける少女」で主演デビュー。08年、映画「純喫茶磯辺」でヨコハマ映画祭最優秀新人賞。フジテレビ「ハチワンダイバー」など人気ドラマにも出演。身長163センチ、血液型B。

 ◆ゼブラーマン ―ゼブラシティの逆襲― 舞台は2025年。東京はゼブラシティと名前が変わり、無法地帯になっていた。朝と夕方の5分間、犯罪行為が許される恐ろしい街だった。街ではゼブラクイーン(仲)が広告塔として君臨、世界征服の野望を実現するために計画を進めていた。ゼブラーマンこと市川新市(哀川翔)は、目覚めると、ゼブラシティで記憶を失っていた。三池崇史監督。

 ◆時をかける少女 事故に遭った母(安田成美)の願いを聞き、74年に行ったあかり(仲)。深町一夫という男性に会うことが目的だったが、偶然出会った大学生・涼太(中尾明慶)と行動をともにするうち、ほのかな恋心を抱く。筒井康隆氏の同名小説の4度目の映画化で、06年のアニメ版は仲が主演声優を務めた。谷口正晃監督。

新人賞・選考経過
 新人賞選考経過 仲と、主演女優や助演女優でも候補になった満島ひかりが争った。「仲は今年、最もクローズアップされた。新人賞にふさわしいフレッシュさがある」(寺脇研氏)「満島はいい作品に出ている。新人の印象ではないが、賞をあげるべき」(渡辺武信氏)。仲を推す声が多くなり、決選投票の末、仲に決まった。満島は3部門のノミネートも受賞につながらなかった。
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石原裕次郎賞・石原裕次郎新人賞とは
 1987年(昭和62)に亡くなった、戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設。石原プロモーションが運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得て、スケールの大きな作品に贈られるのが石原裕次郎賞。裕次郎さんをほうふつとさせる将来性豊かな、映画デビュー5年以内の新人に贈られるのが、石原裕次郎新人賞。賞金は各300万円、100万円。




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