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石原裕次郎賞ー「THE LAST MESSAGE 海猿」羽住英一郎監督

【受賞発表記事】

 「THE LAST MESSAGE 海猿」が、石原裕次郎賞に輝いた。04年の第1作「海猿」から過酷な水中ロケにこだわり、リアルな人間の表情を描き続けた。その集大成となる今作が海と空がある雄大さと、とことん楽しめる作風を評価された。主演の俳優伊藤英明(35)と羽住英一郎監督(43)は「アナログ感が認められた」と声をそろえて喜んだ。

 伊藤は受賞の一報を仕事場で聞いた。東京・赤坂ACTシアターで公演中の舞台「ジャンヌ・ダルク」のけいこの合間だった。「ものすごく大切な作品で賞をいただけて本当にうれしい。役者としてこういう作品、役に巡り合うことは少ない」と言い、満面に笑みを浮かべた。羽住監督は「裕次郎さんの名前がついた賞はすごいし(受賞は)まったく想像もしなかった」と驚いた。

 04年6月公開の第1作「海猿」から「アナログ感」にこだわった。邦画史上初めて海上保安庁の全面協力を受け、CGの使用をできる限り避け、水中ロケを続けた。海という壮大な舞台の中で、歯を食いしばるリアルな表情を描きたい監督の思いがあったからだ。今回は北九州での海洋ロケで大型巡視艇を6隻も投入し、5つのスタジオに7つのセットを建てた。床面を24・3度に傾け、しがみつかないと立っていられないセットもあった。

 機動救難隊員を演じる俳優はシリーズを通し、広島県呉市の海上保安大で訓練を受け、筋トレをして体をつくり撮影に臨んだ。「体を鍛えて気を引き締めないと水に負ける」(伊藤)からだ。劇中で天然ガスプラント「レガリア」内に海水が浸水する場面も、何十本ものドラム缶から一斉に注がれた水を浴びながら演技した。伊藤は「3、4日間で合計100回以上、朝から晩まで水を浴びた。演技を超えてるんですよ」と過酷なロケを振り返った。

 「海猿」を演じて7年。伊藤が演じる主人公仙崎大輔も1児の父になった。興収は80億円に迫り、手にした裕次郎賞。伊藤は「裕次郎さんは好き。スター独特の豪快さがある。映画はエンターテインメントだから、時代のスターがいないと引っ張れない。裕次郎さんには憧れます。ぜひ会ってみたかった」と喜びをかみしめた。【村上幸将】

[2010年12月2日 紙面から]

 ◆THE LAST MESSAGE 海猿 2010年9月、超大型台風が近づく中、日本、韓国、ロシアが協力して1500億円をかけて建造した天然ガスプラント「レガリア」に、掘削用のドリルシップ「リンドワーム」が激突した。海上保安官の仙崎が救助活動を行う中、予期せぬ爆発が発生し、乗務員とともに施設に取り残され逃げ場を失う。仙崎は2年目の潜水士・服部拓也(三浦翔平)と組み、台風直撃の危機が迫る中、生還への道を探る。

石原裕次郎賞・選考経過
 「海猿」が、賞のイメージと重なった。「空、海、山を舞台にした友情ドラマ。お客さんが3Dメガネで楽しんでいた。興行収入もあり、賞にふさわしい」(福岡翼氏)。「十三人の刺客」の評価も高く、「大人数の巨悪の中で少人数が戦うのは『西部警察』を思い出させる」(山下修氏)。「孤高のメス」を推す声もあったが、「海猿」が決選投票で選ばれた。
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石原裕次郎賞・石原裕次郎新人賞とは
 1987年(昭和62)に亡くなった、戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設。石原プロモーションが運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得て、スケールの大きな作品に贈られるのが石原裕次郎賞。裕次郎さんをほうふつとさせる将来性豊かな、映画デビュー5年以内の新人に贈られるのが、石原裕次郎新人賞。賞金は各300万円、100万円。




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