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監督賞ー三池崇史監督「十三人の刺客」

三池崇史監督
「十三人の刺客」で監督賞を受賞した三池崇史監督(撮影・宮崎幸一)

【受賞発表記事】

 受賞の喜びについて尋ねると、三池崇史監督(50)はちょっと照れたような表情になった。

 「喜びより、戸惑いが先に来ます。インディーズ系の作品が多く、カルト監督として褒めていただくことばかりだったのに、こんな立派な賞をもらって」。

 47年前、片岡千恵蔵主演で公開された傑作時代劇「十三人の刺客」をリメーク。豪快なチャンバラを前面に出した。稲垣演じる暴君が日刊スポーツ映画大賞では助演男優賞を獲得。監督賞以上に喜び、称賛の言葉を並べた。

 「SMAPの仕事と、映画の現場では、流れる時間が違う。撮影初日、短いシーンの撮影だけで出番を終えて『えっ、もう終わりですか?』って顔をしていた。でも『殿の気持ちはよく分かる』と言ってたし、オレよりずっと役を理解していたんじゃないかな」。

 47年前の名作は重圧でもあり、励みでもあった。

 「工藤栄一監督は亡くなってますが、きっと見てくれているはず。もし『やっぱりオレたちが作った方がよかったぞ』と思われても、それで前作の魅力が再認識されたということで、よかったのかなと」。

 徹底した娯楽路線で観客を沸かせた裏には、自分自身があらゆることを楽しむたくましさがあった。【三宅敏】

[2010年12月2日 紙面から]

 ◆三池崇史(みいけ・たかし)1960年(昭35)8月24日、大阪府生まれ。日本映画学校を卒業後、故今村昌平監督らに師事、91年にVシネマで監督デビュー。代表作に「アンドロメディア」「着信アリ」「クローズZERO」シリーズ、「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」など。ホラー、バイオレンス、コメディーなど幅広いジャンルで活躍。欧米でも人気が高い。

 ◆「十三人の刺客」 江戸末期、明石藩主・松平斉韶(稲垣)の不条理な暴君ぶりは目にあまるものがあった。将軍の弟だけに、処分できないため、老中の土井(平幹二朗)は、お目付役の島田新左衛門(役所広司)に暗殺の密命を下した。島田は腕の立つ刺客を集めるが、斉韶に仕えているのは、かつて島田とともに剣を学んだ鬼頭半兵衛(市村正親)だった。ほか山田孝之、伊勢谷友介ら出演。三池崇史監督。63年の工藤栄一監督作品、片岡千恵蔵主演作のリメーク。

監督賞・選考経過
 三池監督と「キャタピラー」の若松孝二監督が票を集めた。「この賞は三池さんにぜひ。『十三人―』は個性的な俳優さんが多くて、エネルギーを感じた。すごく時代劇らしい」(神田紅氏)、「若松監督は、ここ何年かは意欲的な姿勢がある。自分の家を担保に入れても、という覚悟がいい」(渡辺武信氏)。「告白」の中島哲也監督らも候補になったが、三池監督が最も支持された。
日刊スポーツ映画大賞
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石原裕次郎賞・石原裕次郎新人賞とは
 1987年(昭和62)に亡くなった、戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設。石原プロモーションが運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得て、スケールの大きな作品に贈られるのが石原裕次郎賞。裕次郎さんをほうふつとさせる将来性豊かな、映画デビュー5年以内の新人に贈られるのが、石原裕次郎新人賞。賞金は各300万円、100万円。




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