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監督賞-三池崇史監督「十三人の刺客」

三池崇史監督
監督賞を受賞し登壇する三池崇史監督

【授賞式記事】

 Vシネマ出身で、わずか15年間で50作以上も撮り続けてきての初受賞となった。ファッションデザイナー山本寛斎氏(66)の派手なスーツで壇上に上がった三池監督だったが、居心地だけは悪そうに周囲を見渡した。「似合わないですよね…。大阪で生まれまして、人にほとんどほめられることなく50年。この場に立っていることに若干、違和感を感じています」と恐縮した。

 とはいえ、情熱は人一倍だ。47年前に片岡千恵蔵主演、工藤栄一監督がメガホンを握った「十三人の刺客」を大胆にリメークした。「工藤監督のお墓参りから始まりました」。オリジナルをリスペクトしながら、クライマックスでは建物を大爆発させたりと、従来の時代劇の枠を飛び越えた、ど派手な殺陣シーンを撮った。アクションシーンでの迫力の増すカメラワークや音響、男の濃い色気が全開のスタイルは、独特な「三池ワールド」とまで呼ばれている。

 「映画は見る人だけでなく、作る側にも力を与えてくれるもの。僕なんかに監督賞を取らせたと思ってくれるスタッフらが、またそれぞれの場所で頑張れるはず。それが喜びです」。授賞式の後は、来年の新作「忍たま乱太郎」の未編集フィルムの視聴に向かった。【瀬津真也】

[2010年12月29日 紙面から]

 ◆三池崇史(みいけ・たかし)1960年(昭35)8月24日、大阪府生まれ。日本映画学校を卒業後、故今村昌平監督らに師事、91年にVシネマで監督デビュー。代表作に「アンドロメディア」「着信アリ」「クローズZERO」シリーズ、「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」など。ホラー、バイオレンス、コメディーなど幅広いジャンルで活躍。欧米でも人気が高い。

 ◆「十三人の刺客」 江戸末期、明石藩主・松平斉韶(稲垣)の不条理な暴君ぶりは目にあまるものがあった。将軍の弟だけに、処分できないため、老中の土井(平幹二朗)は、お目付役の島田新左衛門(役所広司)に暗殺の密命を下した。島田は腕の立つ刺客を集めるが、斉韶に仕えているのは、かつて島田とともに剣を学んだ鬼頭半兵衛(市村正親)だった。ほか山田孝之、伊勢谷友介ら出演。三池崇史監督。63年の工藤栄一監督作品、片岡千恵蔵主演作のリメーク。

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石原裕次郎賞・石原裕次郎新人賞とは
 1987年(昭和62)に亡くなった、戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設。石原プロモーションが運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得て、スケールの大きな作品に贈られるのが石原裕次郎賞。裕次郎さんをほうふつとさせる将来性豊かな、映画デビュー5年以内の新人に贈られるのが、石原裕次郎新人賞。賞金は各300万円、100万円。




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