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新人賞−井上真央「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」「八日目の蝉」

井上真央
新人賞を受賞し花束を手に笑顔を見せる井上真央(撮影・清水貴仁)

【受賞発表記事】

 井上真央(24)が「八日目の蟬」などで新人賞を受賞した。

 受賞の知らせを聞いた井上は「これまで映画の賞には縁がなかったんです」と照れた。映画界では新人でも芸歴は20年。子役時代から主演作をヒットさせた売れっ子もドラマが中心。映画は「花より男子F」「僕の初恋をキミに捧ぐ」など、主に青春ラブストーリーのシンデレラとして、娯楽作を大ヒットに導く女優だった。受賞対象は「八日目の蟬」「太平洋の奇跡―フォックスと呼ばれた男―」。初挑戦の社会派、文芸派作品で栄誉を手にした。

 「主演でなくても、ぜひ戦争ものを」と臨んだ「太平洋の奇跡―」では、タイのジャングルロケで泥まみれになった。「戦争した日米とタイの3カ国が、65年後に共同で平和を訴える映画を製作できている現実に、人の力を感じました」。

 「八日目の蟬」では、長い経験で培ってきた自信を、成島出監督に完膚なきまでに打ちのめされた。「演技中に無意識にカメラから目線を外してしまう癖なんかを、とことんダメ出しされました」。小豆島ロケでは「東京からの女優さんって感じ」と監督から嫌みを言われて、「カチーン」。数時間も島の岸壁に1人でしゃがみ込み、「私は女優に向いてないかも…」と落ち込み、「でも、言われっぱなしじゃ悔しい。絶対見返してやる !! 」と奮起した。「監督とは、ずっとファイティングポーズでした。こうやって評価をいただくと、監督にうまく転がされていたってことですね。今は笑って振り返られます」。クランクアップ後も、しばらくは撮影中の記憶を思い出せないほど。天才子役出身の女優が、苦しみのたうちまわり、殻を破った瞬間だった。

 その後の、今年のNHK朝の連続テレビ小説「おひさま」での大活躍は、周知の通りだ。史上初めて、NHK紅白歌合戦の女性司会者が、28日の日刊スポーツ映画賞授賞式に登壇する。今年は最後まで、井上が日本を明るく照らし続ける。【瀬津真也】

[2011年12月6日 紙面から]

 ◆井上真央(いのうえ・まお)1987年(昭62)1月9日、横浜市生まれ。5歳で子役デビュー後、99年からTBS系「キッズ・ウォー」シリーズに主演。04年に明大入学のため芸能活動を休止。復帰後、主演のTBS系「花より男子」でブレーク。今年はNHK連続テレビ小説「おひさま」で主演。映画初出演作は06年「チェケラッチョ !! 」。主演映画「綱引いちゃった ! 」は来年公開予定。

 ◆「太平洋の奇跡―フォックスと呼ばれた男―」 太平洋戦争最末期、大場栄大尉(竹野内豊)は、サイパンで生き残った。両親が殺された乳飲み子を助け、生きることへの思いを強めた大場は、堀内今朝松一等兵(唐沢寿明)と山に潜んだ。米軍に家族を殺された看護士・青野千恵子(井上)も米軍への抵抗を始める。平山秀幸監督

 ◆「八日目の蟬」 野々宮希和子(永作博美)は愛人・秋山丈博(田中哲司)の子を身ごもるが中絶を余儀なくされ、秋山の娘恵理菜(井上)を誘拐。薫と名付けて逃亡するが4年後に逮捕される。恵理菜は家に戻るが普通の親子関係に戻れず心を閉ざす。21歳になり家庭を持つ岸田孝史(劇団ひとり)の子を妊娠する。

新人賞・選考経過
 新人賞は映画デビュー5年以内が規定。「『八日目の蟬』は、井上さんに作品が引っ張られている。体当たりして演技している」(品田英雄氏)などと井上の演技力を推す声や、7歳の芦田愛菜を評価する意見、「桜庭ななみさんを推します」(佐竹慎一氏)などの声が出た。芦田、桜庭も健闘したが、決選投票の結果、わずか1票差で井上が芦田を上回り、賞を獲得した。
日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞
  受賞作品/受賞者 記事
作品賞 「一枚のハガキ」
  新藤兼人監督
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監督賞   新藤兼人監督
  「一枚のハガキ」
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主演男優賞   松山ケンイチ
「マイ・バック・ページ」「GANTZ」「うさぎドロップ」
「ノルウェイの森」
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主演女優賞   宮崎あおい
「ツレがうつになりまして。」「神様のカルテ」
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助演男優賞   西田敏行
「探偵はBARにいる」「はやぶさ/HAYABUSA」
「ステキな金縛り」
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助演女優賞   加賀まりこ
「洋菓子店コアンドル」「神様のカルテ」
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新人賞   井上真央
「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」「八日目の蝉」
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外国作品賞 「英国王のスピーチ」
  トム・フーパー監督
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石原裕次郎賞 「探偵はBARにいる」
  橋本一監督
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石原裕次郎新人賞   該当者なし
ファン大賞 「SPACE BATTLESHIP ヤマト」
  山崎貴監督
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石原裕次郎賞・石原裕次郎新人賞とは
 1987年(昭和62)に亡くなった、戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設。石原プロモーションが運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得て、スケールの大きな作品に贈られるのが石原裕次郎賞。裕次郎さんをほうふつとさせる将来性豊かな、映画デビュー5年以内の新人に贈られるのが、石原裕次郎新人賞。賞金は各300万円、100万円。




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