「海街diary」で助演女優賞を受賞した長沢まさみ(28)は、04年に新人賞を受賞した時を思い出し、目を潤ませた。大胆なシースルーの衣装が似合う大人になった。自分が歩んできた道を振り返り、芝居も楽しくなってきた今、息の長い女優になると誓った。
4姉妹の次女を演じた「海街-」。是枝裕和監督には「ムードメーカーのような役割。明るさ、ちょっと色気のある女性を」と言われたという。役と通じるセクシーさを感じさせるシースルーの衣装だった。花束で祝福した共演のリリー・フランキーは「何より衣装が素晴らしい。来年は下半身もシースルーで」と笑わせつつ「時間や季節の移り変わり、生と死を肉体をもって表現した」と絶賛した。4年前に舞台で共演以来、公私ともに親交のあるリリーの言葉。長沢は「リリーさんが発する言葉に勇気づけられることが多い」と喜んだ。
11年前「世界の中心で、愛をさけぶ」で新人賞を受賞した時の光景を思い浮かべていた。「無知だったあのころを思い出します。どんな役回りであれ、自分の力を出すということは変わっていないんですが、こうやってまた賞をもらえたのはうれしかったです」。
芝居をすることが好きになったのは、最近だという。「昔を思い浮かべると、自分が思ってるより愛情を持って仕事に向き合えてなかったのかもしれない。やっと楽しくなってきたんです」。大きな転機があったわけではなく、日々仕事をする中で行き着いた。「女優の仕事は出会う仕事すべてが転機だし、そうであるべき。芸の世界は奥深いし、責任の強い仕事」と力強い。
「長く長く息の長い女優さんになれるよう頑張っていきたい」とスピーチした。好きな芝居をとことんやっていきたいという誓いだった。【小林千穂】