「空飛ぶタイヤ」などで助演男優賞を受賞した高橋一生(38)は、国内の映画賞を初受賞し「このたびは大変、栄えある賞をいただけて、とてもうれしく思います。(受賞の)記事を見せていただきました。書いていたのは国内の映画賞を取るのは初…一押しになったと。そういうのが一押しになるんだ。運が良かった」と受賞を喜んだ。
「空飛ぶタイヤ」(本木克英監督)で、冷静沈着だが内面は熱く、ホープ自動車の車両の欠陥について独自調査を始めるホープ銀行の井崎を演じた。高橋は「撮影期間が2日だけ…なので、これで賞をいただけるなんて」と苦笑した。本木監督は「正確にお会いしたのは3回…ものすごく忙しい方でしたけど、あえてどうしても、と来ていただいた。抑制した芝居の中に、見る者に、いろいろなものを与える、独自の境地を持った俳優さん。僕の想像を超えていた」と絶賛した。
長沢まさみ(31)と共演した「嘘を愛する女」(中江和仁監督)では、くも膜下出血で倒れた後に運転免許証、医師免許証が偽造だと発覚する、過去を隠して生きる桔平を演じた。「億男」(大友啓史監督)では、起業家で億万長者の九十九を演じた。高橋は「全てが1つ1つ…僕の全て」と作品に感謝した。
今年は映画だけで5本に出演し、フジテレビ系で11日に最終回が放送された「僕らは奇跡でできている」では、動物行動学を教える主人公の大学講師・相河一輝を演じ、民放ゴールデン・プライム帯連続ドラマ初主演するなど多様な役どころを演じた。「本当にうれしくて…。僕自身、至極、当然のことなんですが、この2年の間、ご一緒した皆さん、評価はとても大事だと思うんですが、作品に臨まれているときは絶対に面白くなるとチームを信じ、志を持って作っていた。その気概に乗って、僕は個々に立てているんだと。御礼を申し上げたい。芝居に向き合っていきたい」とスタッフに感謝しつつ、今後の抱負を語った。
壇上で、穏やかでもの静かなイメージについて話を向けられると「皆さんが思ってくださるイメージで十分かなと。壊したくない」と笑みを浮かべた。その上で「皆さんが思ってくださる、いろいろな期待があるんだったら、応えていけるのかなと」とファンのイメージを大切にしていく考えを示した。
前回、「三度目の殺人」「関ケ原」で受賞し、盾プレゼンターを務めた役所広司(62)は「こういう場にふさわしい、良い役者だと思っていました」とたたえた。