助演女優賞には、今年9月15日に全身がんのため亡くなった樹木希林さん(享年75)が受賞した。表彰には、孫でモデルのUTA(21)が登壇した。

UTAは、スーツ姿で「はじめまして。UTAと申します」と折り目正しくあいさつし「約束した仕事は最後までやるとしてきた祖母ですが、亡くなってもこうして声がかかるとは想像していなかったと思います」。また「中学から留学していたので、帰国中に『ヒマ?』と試写に連れて行かれて祖母の映画を見たりしました。祖母の新しい作品を見ることはもうできませんが、残された映画の中に祖母を再発見できたらと思います」。家では「ばあば」と呼んでいたという。

受賞の対象となったのは3作品。カンヌ映画祭最高賞を受賞した「万引き家族」では、年金と万引きで生計をたてる一家の祖母、初枝をリアルな姿で演じた。「モリのいる場所」では、「仙人」と呼ばれた伝説の画家熊谷守一の妻、秀子を演じた。「日日是好日」は、主人公が通う茶道教室の先生役。主人公の人生の師となる役どころだった。女優としての生きざまと存在感は、今も鮮烈に輝いている。

昨年の同賞受賞者として表彰盾を贈った尾野真千子は「1度映画でご一緒させていただきました。待っている時間もムダになさらない方で、食べていたりするすべてが映画になっていたことが思い出されます」と話した。