「よこがお」(深田晃司監督)などの出演で助演女優賞を受賞した市川実日子(41)は、「公開が終わった作品については振り返る機会がなかなかないので、この賞をいただいて2つの作品を振り返ることができ、現場のスタッフの方々のお顔とお仕事ぶりを思い出せたことが喜びです」と話した。
「きのうの夜は緊張して全然寝られなかったので、発想の転換をして、受賞の知らせから今までの喜びの出来事を数えました」。「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」(小林聖太郎監督)で共演した倍賞千恵子から祝福の電話をもらったことや、受賞取材でプロデューサーや宣伝部スタッフが喜んでくれたことなどを思い出したという。
「よこがお」では、筒井真理子演じる主人公が結婚することを知り、豹(ひょう)変して裏切るニート女性、「初恋~、お父さん、チビがいなくなりました」(小林聖太郎監督)では、年老いた両親を見守るキャリア女性を演じた。
表彰盾は、昨年「万引き家族」などの出演で同賞を受賞した故樹木希林さんに代わり、長女の内田也哉子さんから贈られた。樹木さんが亡くなって1年3カ月になる。内田さんは「この1年ずっと、どこに行っても代理で」と笑わせ「母が乗り移っていると錯覚するくらい。亡くなるということは心の中で普遍化していくことだといわれますが、そのようになっていればうれしい」。
市川とはプライベートでも交流があるという。「日常」を大切にしていた樹木さんについて語り、市川について「日常を丁寧に、地に足を着けて暮らしていらっしゃる。女優さんとしてどんどん日本の宝になっていくと思う」と祝福した。
ステージには「よこがお」の深田監督も登壇。花束が贈られた。