山崎賢人(28)の主演映画「キングダム2 遥かなる大地へ」(佐藤信介監督)が石原裕次郎賞に輝いた。27日に日刊スポーツ公式YouTubeチャンネルでプレミア配信された特別番組内で発表された。
原泰久氏が原作の人気漫画の実写化第2弾。コロナ禍での撮影でありながら、前作に勝るとも劣らないスケールで評価を集めた。前作は19年、今作も22年の邦画実写作品で興行収入トップ(27日現在)となり、シリーズ累計でも100億円を突破した。石原裕次郎賞には賞金300万円が贈られる。
▽佐藤信介監督コメント
偶然、知らせを受けた朝に、石原裕次郎さんの話をしていることがあって、歴史の中で新しい軸を作られた俳優さんで、しかも既存の固定観念みたいなものを打ち破った役者さんだ、という話をちょうどしていたその夜に、石原裕次郎賞をいただいたという知らせを受けました。本当の偶然なんですけれども、どこか、石原裕次郎さんにこの作品を見ていただいたような、「良かったよ」と言っていただいたような、そんな気持ちになりました。非常に苦労も多かった作品なんですけれども、こうしてすばらしい賞をいただくことができて、驚きましたし、うれしく思っております。ありがとうございます。この作品は、クランクインする前は僕らも中国に行って撮影をすることを計画していた作品だったので、コロナ危機という未曽有のことがありまして、この作品自体が成立するかどうか、もっと言うと今後のシリーズ自体がどうか、みたいな、そういう危機が訪れたわけなんです。でもやっぱり、期待している人たちや、それを見て勇気づけられる人たちもいるだろうということで、何とかして撮ろうということで、どんな手を使ってもこれを作り、実際に作ろうとしていたもの以上の作品にしようと思ったので、日本で撮ったところもあるんですけど、中国で撮ったものとしか思えないような形で作りました。スタッフみんな、予定していた苦労というものをはるかに超える苦労をみんなして、知恵をこれ以上、新たな知恵は出ないな、っていうぐらい出して、常に話し合いながらやっていた感じです。もうそんなの無理ですよ、って何度も言われたこともありますけど、今まで誰もやったことないようなことだったんですけど、やりました。作品を劇場で見ていただいた方はおわかりだと思うんですけど、まだまだこの作品、終わったということになっておりません。我々も、このさらに先を見たいし、見せたいということで頑張っております。まだ見ていない方はぜひ、パート1も見ることができますので、「キングダム」という世界に浸っていただければと思います。パート2でもう出し切ったって言うんですけれども、まだまだやりたいこと、とっておきのこととか、ありますので、それをぜひ皆さんに届けたいなと思っています。そして今、頑張っています。
▽山崎賢人コメント
本当に素直にうれしいです。本当に気合を入れて大切に撮影をしていた作品なので、こうして監督と一緒にお花をいただいて、話せているというのが本当に幸せです。長い期間の大変な時期での撮影だったんですけど、みんながこの「キングダム」を本当に愛していて、一つ大きな夢に向かって、みんなで強い心を持って撮影に挑んでたので、いろんなトラブルが起きても、みんなで一つの方向を向いて、力強く、楽しく、撮影を乗り切れたのもこのチームだからだなと、本当に思ってて。やっぱり「キングダム」の魅力に、心の熱さがあると思うんですけど、みんな熱い気持ちを持っていて、見てくれた人にこういう時代だからこそ勇気づけられる作品を作れたなと思って、本当に幸せに思っています。パート1も本当にすごかったですし、パート2も本当にすごくて、自分自身こんなにワクワクする作品に、これだけ楽しく、気持ちを持って、自信を持ってやるっていうことが、本当に自分の中で大切な作品。1も2もすごいですけど、3はさらに、さらにすごいので、自分自身楽しみにしてます。そして本当に楽しみにしていてほしいなと思ってます。
◆キングダム2 遥かなる大地へ 紀元前の春秋戦国時代、政が王座奪還を果たして半年、隣国・魏の大軍が侵攻してくる。本格的な戦は初陣の信(山崎)は秦軍の末端歩兵ユニット伍のメンバー、高い身体スキルを持つ羌■(キョウカイ)(清野菜名)らと、一歩兵として軍に加わり、決戦に向かう。(※■はマダレに鬼)
◆佐藤信介(さとう・しんすけ)1970年(昭45)9月16日生まれ。広島県出身。武蔵野美術大卒。01年メジャーデビュー。「GANTZ」(11年)や「図書館戦争」(13年)などアクション作を多数手がける。19年の「キングダム」で日本アカデミー賞の優秀監督賞受賞。
◆山崎賢人(やまざき・けんと)1994年(平6)9月7日生まれ。東京都出身。2010年俳優デビュー。翌年「管制塔」で映画初主演。18年日本テレビ系「トドメの接吻」で連ドラ初主演。16年の第39回日本アカデミー賞で新人俳優賞受賞。特技はサッカー。
◆石原裕次郎賞 1987年(昭62)に亡くなった、戦後を代表するスター石原裕次郎さんの遺志を引き継ぎ、日刊スポーツ映画大賞に併設。石原音楽出版が運営に全面協力している。その年に最もファンの支持を得て、スケールの大きな作品に贈られる。賞金は300万円。
▼石原まき子さん談話
第35回の石原裕次郎賞「キングダム2」は、コロナ禍で海外渡航ができない厳しい状況下で俳優、日本スタッフ、中国スタッフの皆さまが一丸となって作り上げた、前作に引けを取らないスケールの大きな完成度の高い素晴らしい作品だと存じます。
特に俳優の皆さまの役作りは非常に素晴らしく、キャラクターそれぞれが際立っていて、漫画キングダムの世界観を壊すことなく演じられていると感じました。キングダム3の公開も楽しみにしております。
受賞者の皆さまのさらなるご活躍、映画界の発展をお祈りいたします。
石原音楽出版社 取締役名誉会長 石原まき子
※山崎賢人の崎は大が立の下の横棒なし