阿部寛(58)が初の主演男優賞を受賞した。27日に日刊スポーツ公式YouTubeチャンネルでプレミア配信された特別番組内で発表された。

「とんび」(瀬々敬久監督)では不器用な父親役、「異動辞令は音楽隊!」(内田英治監督)ではドラムに目覚める刑事役を演じ、存在感を発揮した。

▽阿部寛コメント

この度は大変すばらしい賞をいただき、本当にうれしく思っています。ありがとうございます。「とんび」という作品と「異動辞令は音楽隊!」。この2つということで「とんび」は昭和から現代にかけての家族の絆を描いた物語で「異動辞令は音楽隊!」は1度くじけて、そこから人生をやり直す男の話です。この男たちを演じるには、スクリーンから飛び出してくるような、そんな生命力が出せればと思って、演じさせていただきました。今回のこの受賞は皆様がそれを受けとめてくれた、その証しだと思ってます。うれしいです。そして監督、キャスト、スタッフ、全てのこの作品を見てくださった皆様、原作の重松清さん、脚本、監督の方々、すべての方に感謝したいと思います。本当にありがとうございました。

◆阿部寛(あべ・ひろし)1964年(昭39)6月22日、横浜市生まれ。中央大理工学部在学中の85年モデルデビュー。87年俳優デビュー。93年舞台「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」主演。ドラマも「TRICK」「ドラゴン桜」「結婚できない男」「下町ロケット」など主演多数。

◆とんび 日本一不器用な男、ヤス(阿部)は、愛する妻の妊娠にも喜びを表せない。息子のためにも、懸命に働くヤスだったが、手にした幸せは、妻の事故死によって打ち砕かれる。ある日、母の死の真相を知りたがる息子に、ヤスはウソをつく。

◆異動辞令は音楽隊! 犯罪捜査一筋30年の鬼刑事・成瀬司(阿部)が、突然警察音楽隊へ異動を命じられる。失意の中、子育てをしながら交通課とトランペットを掛け持ちする来島春子(清野菜名)ら音楽隊と新しいステージで輝きを取り戻す。