李相日監督(48)が「流浪の月」で監督賞を受賞した。27日に日刊スポーツ公式YouTubeチャンネルでプレミア配信された動画内で発表された。
16年の前作「怒り」にも出演した広瀬すず(24)を主演に起用し、ダブル主演に松坂桃李(34)。さらに撮影監督に米アカデミー賞4冠獲得の韓国映画「パラサイト 半地下の家族」の撮影監督ホン・ギョンピョ氏(60)を招聘(しょうへい)するなど豪華メンバーをそろえ、2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆう氏のベストセラーを繊細な実写で描いた。
▽李相日監督コメント
「怒り」以来6年ぶりに映画を撮ることができまして、またコロナ禍という大変厳しい中で、本当に純粋に映画作りにまい進できたことを、製作陣にあらためて感謝申し上げたいとともに、久しぶりに撮る緊張もありながら、何か自分が、興奮と、大げさに言うと何か生きている実感みたいなものを与えていただいたことに、本当に感謝しています。監督賞についてのコメントというのは非常に難しいんですけれども、先ほど申し上げたようにコロナで中断の期間がありながらも、キャストもスタッフも誰1人、全員がモチベーションを失わずに意志を持続していただいたこと。とにかくすばらしいキャストが集合していますので、そのキャストの全身全霊のありようと、スタッフ全員の献身というか、本当にみんなの献身が結晶した映画になっていると思います。そういったものが観客の皆さんに届けばいいかなと思って最後までやり続けました。監督賞をいただいたことで、まだ映画を撮る気があるんだなということをちゃんと理解していただけたと思うので、そういった意味でもいい存在を示せたと思います。本当にありがとうございました。
◆李相日(り・さんいる)1974年(昭49)1月6日、新潟県生まれ。神奈川大経済学部卒業後、日本映画学校(現・日本映画大)に入学。卒業制作「青~chong~」がPFFで4冠を受賞しデビュー。06年「フラガール」で日本アカデミー賞最優秀作品賞。
◆流浪の月 家に帰れない10歳の家内更紗(白鳥玉季)と家に招き入れた大学生・佐伯文(松坂桃李)は、ともに居場所を見つけ幸せだったが夏の終わり、文は「誘拐犯」、更紗は「被害女児」となった。15年後、大人になった更紗(広瀬すず)は文と偶然、再会する。