磯村勇斗(31)が初の助演男優賞を受賞した。27日に日刊スポーツ公式YouTubeチャンネルでプレミア配信された特別番組内で発表された。
「月」(石井裕也監督)では、障がい者施設で使命感を増幅させる余り凶行に及ぶ施設職員を演じた。「正欲」(岸善幸監督)では人に言えない欲望にもがく男性役。「渇水」(高橋正弥監督)では困窮家庭の停水を執行する水道局員の苦悩をにじませるなど、複数の作品で濃厚な役どころを演じ、映画を際立たせた。昨年の選考会でも受賞した柄本佑に肉薄しており、晴れて受賞となった。
▽磯村勇斗コメント
このたび日刊スポーツ映画大賞、助演男優賞をいただきました。本当に、うれしいです。最初、第一報をいただいた時に、今回の映画に監督、キャストさんのみなさんと向き合って、みんなで背負いながら作品に臨んでいたので、それが少し報われたような気がして、本当にうれしく思いました。助演男優賞となると、これからのお仕事にプレッシャーを感じながら、出発しなきゃいけないなと思うと、非常にプレッシャーを感じるんですけど(笑い)。このありがたい賞をかみしめつつも、さらに、俳優として一歩一歩、地に足を付けて、これからもお芝居と向き合っていきたいなと思ってますし、今までいろいろな人との出会いによって僕はここまでたどりつくことができたと思いますので、その皆さんに感謝しつつ、これから出会う作品、出会う人を大切にして進んでいきたいと思ってます。本当に映画が大好きです。ありがとうございました。
◆磯村勇斗(いそむら・はやと) 1992年(平4)9月11日静岡県生まれ。「仮面ライダーゴースト」(15年)で注目。「きのう何食べた?」や「東京リベンジャーズ」などで印象を残し、今年は「最後まで行く」「波紋」「渇水」「月」「正欲」と続いた。
◆月 元有名作家の堂島洋子(宮沢りえ)は、夫昌平(オダギリジョー)と二人暮らしする中、重度障害者施設で働き始めた。絵が好きなさとくん(磯村勇斗)作家を目指す陽子(二階堂ふみ)ら同僚と出会うが、他の職員による入所者への暴力を目の当たりにする。
◆渇水 市の水道局に勤める岩切俊作(生田斗真)は、同僚の木田(磯村)と料金を滞納する家庭や店舗を訪ね、水道を止めて回っていた。妻子ともうまくいかず渇いた日々の中、幼い姉妹と出会った岩切は、自分の子どもと重ね合わせ、救いの手を差し伸べる。
◆正欲 不登校息子の世間との断絶を恐れる検事の啓喜(稲垣吾郎)。秘密を抱える販売員の夏月(新垣結衣)。夏月の同級生で、秘密を共有する佳道(磯村)。心を開かない大学生・大也、その同級生の八重子。無関係に見えたそれぞれが、ある事件で交差する。