<日刊スポーツ映画大賞:助演女優賞・広末涼子(想いのこし、柘榴坂の仇討)>◇28日◇ホテルニューオータニ

 99年に新人賞を受賞し15年たった今年、「柘榴坂の仇討」と「想いのこし」で助演女優賞に輝いた広末涼子(34)は、壇上で「すてきな賞をありがとうございます」とあいさつした。さらに「もう自分はおばさんの年ですが、また、この場に立てることを本当にうれしく思います」と、15年で成長した自分をユニークに表現し、笑顔を見せた。

 新人賞受賞時は19歳。当時の気持ちを「まだ、自分は10代で、おばさんになったら女優さんをやめたいと思っていました」と振り返った。「あの人、おばさんになったね」と、言われるのが嫌だったという。授賞式後も「若い時は年を重ねることが怖く、若くて生き生きしている方がいいと思っていた」と説明した。

 今は違う。「30代に入っても初めての経験をさせていただけて、未熟さと向き合い、悔しい思いをすることで、あらためてお芝居が好きなんだと感じます。女優というすてきな仕事に出会えて良かった」と充実した表情で話した。授賞式後も「年齢を重ねたなりのいいしわが刻まれ、味や風情、そういう空気感のある女優になりたいと思えるようになりました。自分も大人になったので」と語った。

 壇上では前年の同賞受賞者、伊藤蘭(59)から盾を受け取った。約8年前にドラマで母娘を演じた伊藤からも「当時は少女の面影が強い時代。今は純粋さはそのままに、とても女性らしくなられた」とたたえられた。一方、「柘榴坂-」の若松節朗監督(65)からは花束を贈られ、本番前に歌を歌っていると明かされ「変な女優」と言われて苦笑していた。【中野由喜】