<日刊スポーツ映画大賞:助演男優賞・池松壮亮(海を感じる時、紙の月、ぼくたちの家族)>◇28日◇ホテルニューオータニ

 助演男優賞の池松壮亮(24)は、前年度受賞者リリー・フランキー(51)の絶賛に、タジタジだった。

 リリーから盾を渡され、「紙の月」の吉田大八監督から花束を受け取った。リリーから「池松君は天才です。来年は、助演男優賞を奪い返せるように頑張りたい」とべた褒めされ、肩をすくめて恐縮した。表彰式後、リリーについて「本当の天才にあんなこと言われちゃあ…。リリーさんっていう役者は怖いですよ。人間力とか、表現者としてのポテンシャルがとても高い」と苦笑いした。それでも「とは言っても、戦っていかなきゃならないですね」と静かに宣言した。

 昨年3月に大学を卒業し、今年は映画8本に出演。駆け抜けた1年だった。「(受賞は)素直にうれしいです。ただ、これで何か自分の能力が変わるわけではないので、誰かへの恩返しになっていればいいなと思います」。華やかなパーティーなどが苦手で、この日も「あまりにも緊張したので、お酒の力を借りました」と明かす。「映画って生活に絶対必要なものではないですが、それでも見る人に期待してもらえるように、来年も自分を試していきたい」。謙虚なナイスガイの主戦場はやはり、撮影現場以外になさそうだ。【横山慧】