★28日、第216臨時国会が召集された。会期は12月21日までの24日間。主たる目的は経済対策と能登災害の24年度補正予算案成立だ。先の衆院選で自民・公明両党が少数与党に転落後、最初の論戦の場となるが石破政権が野党にどう臨むか。また野党第1党の立憲民主党は、予算委員長を始め常任委員長を据えたことで反対野党だけではいられなくなる。与野党の国会運営が一つの焦点となる。
★立憲民主党は先の衆院選挙で公示前の98議席から50議席増の148議席となり大躍進を遂げた。解散直前に党代表選があり、野田佳彦が代表に選出。中道保守を掲げ、攻める野党を演出した。だが同党に選挙後勢いがない。まず選挙には勝ったがどんな政治をするのか、中道保守の中身が語られない。野田執行部の人事に戦う姿勢が感じられず弱い。幹事長・小川淳也、政調会長・重徳和彦だが何をしたいのかわからない。党内からは「小川の存在感がない」「自民党は森山裕、国民民主は榛葉賀津也と幹事長は迫力が必要。発言も話題にならない」。「重徳はテレビに出るたび胸に日米の国旗をあしらったバッジをつけている。これは何のメッセージなのか。党のスタンスなのか」といった声が上がる。結局、大勝したものの立憲とはどんな政党か、目標やビジョンが見えない。
★小川は党の人事を見ると幹事長の上に代表代行(党務総括)兼選対委員長・大串博志がいる。重徳の上には代表代行(政策統括)・長妻昭が君臨する。「幹事長と政調会長の上に統括がいたら何もできないし、発言も制限される。他党には発言の重みも変わってくる。これでは何のための若手の登用かわからない」と不安を口にする議員は多い。「これは選対本部長代行・小沢一郎としたものの、その上に総合選対本部を作ったやり方と同じ。仕事をさせない仕組みだ」(立憲ベテラン議員)。「政治音痴、選挙音痴、政局音痴の演説男・野田が権限を抱え込んだところで党勢は拡大しない。これで参院選に勝てるのか」(立憲関係者)。立憲は自民党以上に前途多難だ。(K)※敬称略