<フィッシング・ルポ>
まだ寒~い日が続いてますが、ヌクヌクしながらワカサギ釣りしませんか?
長野・諏訪湖では、沖にビニールハウス風のドーム船を停泊させて、上着脱いでTシャツ1枚でノビノビとワカサギを狙える。しかも、ここにきて100匹以上の数釣りにも期待を持てるようになってきた。自分で釣ったワカサギを天ぷらにしてもらえるサービスも大好評だ。ファミリーやカップルにも優しいドーム船ワカサギをリポートする。
手袋をしていない。今の時期、氷上で穴を開けて狙うワカサギ釣りでは、携帯式カイロや、毛糸の帽子が必需品だが、諏訪湖では、防寒に気をもむことはゼロだ。沖に停泊しているドーム船が舞台になるのだが、これが“湖上の温室”にふさわしい暖かさなのだ。逆に少し外気を入れるぐらいがちょうどいい。極論をいえば、Tシャツに半ズボンでも楽しめる。
諏訪湖では、湖面が結氷してしまうと、湖上に浮かべたドーム船が氷で傷ついてしまうことがあって、釣りができなくなってしまう。今年は1月中は順調だったが、2月から湖面が一部結氷したため、一時ドーム船を接岸させて、休止状態だった。それが、気温が少しずつ上昇してきたことで、18日から営業を再開した。
取材日はその前日の17日。事情を知らずに岐阜から訪れたカップルの中村友久(ともなが)さん(29)と熊沢志季(しき)さん(25)、そして大ベテラン笠原康男さん(63=下諏訪町)でサオを出してみた。
軽装でできるだけでなく、釣り道具も事前に用意しなくていい。すべてレンタルできる。水深5メートル前後なので、リールを使わずに手で糸をたぐり寄せるだけでいい。仕掛けも店内で販売しているから、本当に何もいらないのだ。ドーム船には、お湯のポットが常備してあるので、カップ麺を持参すれば、昼食にも困らない。釣り初心者にとっては、思いついたら、できちゃう釣りともいえる。
さて、実釣だが、これが難しかった。笠原さんも「これは難しいね。アタリが小さい」と首をかしげながらもプルルンと震えるサオ先の反応を逃さずに、元気なワカサギを釣り上げた。
されど記者のサオはまったく反応なし。理由を笠原さんに聞いた。「まだ氷がなくなって間もないので、ワカサギの群れが落ち着いていない。時間がたてば日陰になるドーム船の真下に集まってくるので、釣れだすよ」とのこと。来るのが早すぎたか?
それでも笠原さんのサオは定期的に曲がっている。記者とカップルはウンともスンともいわない。しばらく笠原さんの釣り方を観察。タナ(魚の泳層)を底と想定して、オモリを着底させたら少しだけ巻き上げるだけ。同じだ。違うのはここから。3分おきぐらいにサオをあおる。「こうするとワカサギが新しいエサと思って食い付くことがある。エサを落とした直後にアタリが多い」。なるほど…同じように試したら、さっそくプルルン!
いきなり来た。合わせて糸を巻き上げると何もいない。
「大きなアタリではもういない。その前の小さいアタリで合わせないと釣れません」と笠原さん。ワカサギ釣りの奥は深い。あとはエサのサシをハサミで半分にカットする。笠原さんは「こうやるとサシの体液がコマセになる」。結局、笠原さんが15匹。記者とカップルは釣果ゼロだった。
ところが取材の翌日の18日が248匹、19日は189匹、20日317匹、21日141匹、22日も216匹。釣果が安定してきた。笠原さんは「もう大丈夫だね。ビギナーでも釣れるよ。3月はもっといいよ」と太鼓判を押してくれた。自分で釣った魚も宿に戻ってから、200円で天ぷらにもしてくれる。諏訪湖のワカサギは今がチャンスですよ。【寺沢卓】▼宿
日刊スポーツ新聞社指定「諏訪湖レジャーセンター」【電話】0266・53・6540。営業は午前7時から午後3時まで。入漁料は、高校生以上1000円で、中学生以下無料。ドーム船使用料は高校生以上2700円、中学生以下1500円。貸しザオと仕掛け、エサセットで700円。仕掛けは5本バリ300円、7本バリが400円。▼仕掛け
サオ=手バネ式、道糸=ナイロン1号、ハリス=1号、枝ス=0.4~0.6号(間隔は5センチ)、ハリ=秋田キツネ2.5号(5本か7本)、オモリ=1~2号