プロ野球番記者コラム

【阪神】47年チーム支えた西口副寮長が24年年内で勇退「阪神タイガースは永遠に不滅です!」

平田2軍監督と西口副寮長が2ショット撮影(撮影・山崎健太)
平田2軍監督と西口副寮長が2ショット撮影(撮影・山崎健太)

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

「虎の生き字引」がひっそりと“引退”する。高知秋季キャンプと合わせて、鳴尾浜の残留練習も打ち上げとなった11月17日。年内最後の全体練習となった。選手寮「虎風荘」の西口裕治副寮長(65)は定年を迎え24年内で勇退する。77年に捕手として阪神に入団し80年に現役引退。翌81年から05年までブルペン捕手、09年から副寮長を16年務め、計47年チームを支えてきた。

この日、選手、スタッフらに囲まれ記念撮影を行い、最後の言葉を紡いだ。「ブルペン捕手として383人の投手に携わり、139名の寮生を見守ってきた。140の大台目前だったのが残念でしかたない。今までお世話してきたので来年からはお世話してください(笑)」。愛のある言葉でその場を和ませた。

選手たちの寮生活を見守る中で、長年意識してきたことがある。「寮の中は自分の家に帰るのと一緒やからね。グラウンドと私生活は区別して、活躍した選手には『おめでとう』と言う。ミスした選手には『まあまあ、明日があるやんけ』と声はかけてたね。一般の家庭と一緒ですね」。ほぼ毎日顔を合わせる選手でも一定の距離間を保ち、陰ながら見守ってきた。

チームも新たな節目を迎える。25年3月、新2軍施設「ゼロカーボンベースボールパーク」への移転に伴い、選手寮も同施設内に移転。鳴尾浜30年の歴史に終止符が打たれる。西口氏は「1度お邪魔させてもらわないとね。やっぱり違うと思いますよ。ここ(鳴尾浜)ができた時もきれいやなと思ったんでね」。一抹の寂しさを浮かべつつも、新たな施設の誕生に胸をおどらせた。

時代は変わり、新たな風が吹くなかでも、先人たちの思いが色あせることはない。この日のあいさつの締めは「阪神タイガースは永遠に不滅です! 」。長年若虎を支えてきた西口氏らしい幕引きだった。

【阪神担当=山崎健太】

◆西口裕治(にしぐち・ゆうじ)1959年(昭34)5月4日生まれ。奈良県出身。高田商から77年に捕手として阪神入団。80年に現役引退。翌81年から05年までブルペン捕手、09年から副寮長を16年務めた。右投げ右打ち。

残留練習参加中の選手、スタッフが西口副寮長を囲み記念撮影(撮影・山崎健太)
残留練習参加中の選手、スタッフが西口副寮長を囲み記念撮影(撮影・山崎健太)
虎風荘の表札前で笑顔の西口副寮長(撮影・山崎健太)
虎風荘の表札前で笑顔の西口副寮長(撮影・山崎健太)

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