プロ野球番記者コラム

【阪神】リリーフ大国に新たな役者 桐敷の最優秀中継ぎ獲得は球団別最多の7人目、10度目

阪神桐敷拓馬(2024年10月12日撮影)
阪神桐敷拓馬(2024年10月12日撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

救援大国の阪神に、新たな顔が加わった。桐敷拓馬投手(25)が43ホールドポイント(HP)を挙げ、最優秀中継ぎ投手を獲得。05年からHP数でこのタイトルを決めるようになって以降では、球団7人目、10度目だ。人数、度数とも12球団最多である。左腕ではチーム初となった。

70試合登板は、今季12球団最多だった。セ・リーグ2位は60試合で、岩崎(阪神)栗林(広島)大西(ヤクルト)マルティネス、清水(中日)の5人。リーグ最多登板投手が2位に10試合以上の差をつけたのは、19年(1)平井克典81試合(西武)(2)松井裕樹(楽天)68試合の13試合差以来。セ・リーグでは07年久保田智之(阪神)90試合(2)木塚敦志(横浜)76試合の14試合差以来、17年ぶりという別格のフル回転を見せた。

来季に向け頼もしいデータもある。優勝した巨人戦では、自身カード別最多の15試合に登板。13イニング1/3を投げ無失点と、完璧な投球だった。打者42人に対し四死球0、42打数3安打で被打率0割7分1厘と封じ込んだ。丸に対しては10打席ノーヒット、岡本和は3打席3三振と、主軸に全く仕事をさせなかった。

ところで、阪神で背番号47の名投手といえば、往年の大エース小山正明がいる。精密機械と評されたコントロールで一時代を築き、剛球の村山実と並び大エースとして君臨した。

阪神でこの背番号をつけた投手のタイトル獲得は、小山が62年に最多奪三振270(当時は表彰の対象外)最高勝率7割1分1厘(27勝11敗)の2冠に輝いて以来、62年ぶりだ。この大先輩は後に東京(現ロッテ)などで、プロ野球3位の通算320勝をマークした。右の先発小山に対し、左のリリーフ、桐敷。タイプこそ違え、虎の歴史に残る投手への足跡を刻んだ。

【記録室=高野勲】(22年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)

【イラスト】阪神最優秀中継ぎ投手
【イラスト】阪神最優秀中継ぎ投手

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