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100年で初! 敦賀気比・松本哲幣が2打席連続満弾

<センバツ高校野球:敦賀気比11-0大阪桐蔭>◇3月31日◇準決勝

 高校野球100年の歴史の中で、史上初の2打席連続満塁本塁打が飛び出した。敦賀気比(福井)松本哲幣(てっぺい)外野手(3年)が、球界のレジェンドたちを超える快挙を達成し、大阪桐蔭を下し、北陸勢初優勝に王手をかけた。2打席連続本塁打は07年の大阪桐蔭・中田翔(現日本ハム)以来11人目。1試合8打点も大会新で、星稜(石川)松井秀喜(元ヤンキース)、PL学園(大阪)桑田真澄(元パイレーツ)らの7打点を上回った。今日1日の決勝は、東海大四(北海道)と対戦する。

 伝説のラッキーボーイが誕生した。2回2死満塁。敦賀気比の背番号「17」松本が打席に入ると、甲子園がざわついた。1打席目で満塁弾を放った男の打席に視線が集まる。「自然とバットを振り抜けた」と直球をとらえた打球は、左翼ポール際で弾んだ。春夏通じて史上初の2打席連続満塁弾。興奮に包まれる中、ダイヤモンドを回る松本だけが楽しそうに1周した。「最高でした」。目はキラキラと輝いていた。

 初回の2死満塁では、狙い澄ましたスイングで左翼席に運んだ。「前の球が内角高めだったので、次は変化球だと思って狙っていた」。フォークボールを思い切り振り抜いた。この満塁弾が自身高校通算3本目、公式戦では初のアーチだった。その次の打席で、これまでどんなスラッガーもできなかった2打席連続満塁弾を達成した。計8打点。星稜・松井、PL学園・桑田らが持つ1試合最多打点7までも超えてみせた。「知りませんでした。ビックリです」と目を丸くした。

 昨夏の甲子園準決勝。大阪桐蔭から初回に5得点しながら逆転負けした。そのときも、初回に御梁(おやな)翔選手が満塁弾を放っていた。しかも同じ「6番右翼」。嫌な巡り合わせに「まだ4点では足りないと思った」。リベンジへの思いも快挙につながった。

 昨秋からレギュラーを取れず背番号は「17」。「思いをぶつけてやろうと思った」。チームメートとともに、ノックバット、通常より長いバット、グリップが太いバットなど5種類のバットを使って素振りやティー打撃を続けてきた。前夜(30日)は、レギュラー争いでライバルでもあり、中学時代からの親友でもある木下翔吾外野手(3年)とともに、素振りを行った。東哲平監督(34)は「本来は力がある子で勝負強い。左投手対策もあって、スタメンに起用したが甲子園が打たせてくれた。何か見えない力が彼を後押しした」と驚きっ放しだった。

 「全国優勝できるチームに、と思って敦賀気比を選んだ。次、勝って初めて目標達成です」

 とてつもない伝説を作った背番号17が、福井県初、いや北陸勢悲願の大旗のため、最後までフルスイングする。【浦田由紀夫】

<松本哲幣(まつもと・てっぺい)アラカルト>

 ◆生まれ 1997年(平9)10月31日、京都府生まれ。

 ◆球歴 小学1年「御所南クラブ」で軟式野球を始め、6年時に全京都大会、西日本大会で優勝。京都御池中ではボーイズの「京都ライオンズ」で投手と左翼手。敦賀気比では2年秋の北信越大会から背番号17でベンチ入りし、明治神宮大会にも出場。

 ◆習い事 5歳からサッカー、水泳を習っていた。

 ◆家族 父正弘さん(52)母葉子さん(46)と兄。

 ◆趣味 音楽鑑賞。

 ◆好きな言葉 「あきらめない」。

 ◆好きなプロ野球選手 ソフトバンク松田。球団は阪神。

 ◆尊敬する人 サッカー本田圭佑。

 ◆好きなタレント 川口春奈。

 ◆パワー 握力は左右ともに60キロ。50メートル走6秒4。遠投95メートル。

 ◆体格 178センチ、75キロ。胸囲94センチ。右投げ右打ち。

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