東北、長編ドラマの完結は後輩たちが…/宮城
<高校野球宮城大会:仙台育英7-2東北>◇1日◇決勝◇Koboパーク宮城
東北が仙台育英の「メークドラマ」を阻止できず涙をのんだ。試合前日のミーティングで我妻敏監督(35)は「育英さんのドラマは短編ドラマ。今まで自分たちが描いてきた長編ドラマを完結させよう」と選手を鼓舞したが、敗れ去った。
不運が試合を分けた。1-1で迎えた2回裏2死二、三塁、仙台育英・長谷川の打球が三塁手・野田陸翔(3年)の手前でイレギュラーし外野へ抜けて2点を失った。野田は「打球が変わって焦ってしまった。落ち着いて対処していれば」と悔しさをにじませた。
1-7と大きくリードされた終盤、ベンチの控え選手から「本当のドラマはここからだ」と声が飛んだ。8回表1死から庄司修也(3年)、杉沢龍(2年)の連続二塁打で1点を返したが、大きなクライマックスは訪れずに終演を迎えた。
我妻監督は「想定外のミスもあってダメージが大きかった。ここまで頑張ってやってきたので仕方ないです。3年生が築いてくれた自立心を手本に、新しいチームを作っていきたい」。東北の長編ドラマは、まだ終わってはいない。