中越24年ぶり勝利へ500人壮行「勝利で恩返し」

 全国高校野球選手権記念大会に2年ぶり11回目の出場を果たす中越ナインが30日、宿舎のある大阪入りした。それに先立ち、同校正面玄関前で壮行会を行った。約500人がナインを送り出した。記念すべき100回大会で中越は、94年以来24年ぶりの勝利を狙う。

 壮行会は、開会宣言の後に校歌を歌った。本田仁哉監督(41)は「甲子園でみなさんと校歌を歌えたら、と想像したら気持ちが高まって、力が湧いてきました」とあいさつした。学校は夏休みに入っているが、男女バレーボール部、サッカー部、剣道部など校内活動していた運動部や一般生徒、地域住民ら約500人が集結した。主将の小鷹葵捕手(3年)は「応援され、期待されていることを改めて感じた。勝利という形で恩返ししたい」と話した。

 中越は15、16年の甲子園で2年連続でサヨナラ負けしている。15年は滝川二(兵庫)に3-4のサヨナラ負け。16年は富山第一に9回1死まで今村豪投手(当時3年)がノーヒットノーラン投球を演じながら、0-1でサヨナラ負けした。悔しい16年の敗戦を、主力の3年生は三塁側スタンドで観戦している。本田監督は話した。「あの敗戦を土台に作ってきたチーム。スタンドで負けの瞬間を肌で味わっているのは財産。ベンチメンバーはいなかったが、悔しさを知っているメンバーで甲子園を戦えるのは大きい」。

 甲子園では94年に坂出商(香川)浦和学院(埼玉)に2勝して以来、未勝利だ。94年当時の本田監督は静岡3年の高校球児。静岡大会決勝で浜松工に1-3で敗れ、失意の夏休みを過ごしていた。「たまたま、中越の2勝をテレビで見ていた。縁を感じる。このユニホームで勝利を味わいたい」。組み合わせ抽選会は8月2日、開幕は同5日。「やり残したことはない」と話した小鷹主将は「全国で通用する野球をしてきた」と24年ぶりへ、自信を見せた。【涌井幹雄】