大院大高・岡 雨の中、監督から届いた背番号と言葉
<半端ない夏 大院大高・岡壮一郎投手(2年)>
<高校野球北大阪大会:大阪桐蔭23-2大院大高>◇30日◇決勝◇大阪シティ信金スタジアム
大院大高・岡の背番号10の裏には「秋と春の悔しさ晴らして先輩たちを笑顔に」と書かれている。椎江博監督(56)からのメッセージだった。椎江監督は「一番悔しいのは本人ですから。悔しさを晴らして欲しかった」と振り返った。
大院大高のベンチ入り20人の背番号の裏には、監督からそれぞれに向けられた言葉が記されている。例年、チームでは大会前に背番号の授与式を行う。だが、今年は大雨の影響で学校が休校に。授与式が中止となり、椎江監督が雨の中、選手の自宅を訪れ背番号を届けた。
「雨の中届けてくれて、監督を甲子園に連れて行こうと思った」という岡は、2回途中から登板した。「格上なので気持ちでぶつかろうと思った。(大阪桐蔭は)今まで戦った中で一番投げづらかった」。4回を投げ16安打14失点。連打を浴びても懸命に腕を振った。「『3年生のために投げろ』と言っていて、その気持ちが伝わってきました」と椎江監督は目を潤ませて話した。
3年生と最後の夏、ともに笑うことはできなかった。岡は言った。「3年生最後の夏なので上までいこうと思っていた。点差以上の力の差を感じたので頑張って差を縮めたい」。記録にも記憶にも刻まれた23点が強くしてくれるはずだ。【望月千草】