国士舘センバツ当確、西武森手本に4番黒沢が先制打
<高校野球秋季東京大会:国士舘4-3東海大菅生>◇4日◇決勝◇神宮
国士舘が東海大菅生を4-3で下し、10年ぶり6回目の優勝を決め、来春のセンバツ出場を当確させた。1回に、西武森を参考にした打撃フォームの4番黒沢孟朗一塁手(1年)の先制打などで4点を先取し、継投で逃げ切った。第91回選抜高校野球大会(来年3月23日から12日間、甲子園)の出場校選考の重要な資料となる秋季大会はこの日、10地区全てが終了。9日開幕の明治神宮大会の出場校が出そろった。
1回2死二塁、黒沢が重心を低くした独特のフォームで打席に立った。「強いゴロを打とうと意識した」と1ボールからの直球を左前にはじき返し、狙い通りに不安定な立ち上がりを攻略。4点を奪って、試合の主導権を奪った。
中2の秋、大阪桐蔭時代から憧れの西武森を参考に「体が小さくても、強い打球が打てるように」とフォームを改造した。身長167センチ、体重70キロと小柄だが、持ち味はフルスイング。先制打も「詰まった」がバットを振り切った分、内野の間を抜けた。
新チーム結成時、永田昌弘監督(60)が「国士舘史上最低のスタート」と評したチームが、黒沢ら選手個々の成長で優勝した。同監督は甲子園に通算8回出場し、国士舘大の監督を経て、16年秋に復帰。百戦錬磨の経験を伝え、黒沢の独特なフォームも「やればいいから」と尊重するなど、飛躍につなげた。
黒沢は、明治神宮大会の目標に「打倒星稜」を掲げた。石川県出身だが、国士舘に誘われ「力を試したい」と上京した。星稜には小学6年時の練習試合で「速すぎて、全然打てなかった」と完敗した寺西、来秋ドラフト候補の奥川ら強力投手陣が君臨。高校通算8発の“森2世”は「負けたくないです」と気持ちを高ぶらせた。【久保賢吾】