東邦・石川は当面野手に専念、夏制覇へ投手力課題に

投打の二刀流で平成最後の甲子園優勝に導いた東邦(愛知)・石川昂弥投手(3年)が当面、野手に専念する。センバツ決勝から一夜明けた4日、学校に帰る前に大阪市内で取材に応じた。

「意外に疲れはないです。動画サイトで昨日のシーンを見て、本当にすごいことをしたんだな、と思いました」。前日3日は甲子園史上初の2本塁打&完封勝利。平成最初と最後の甲子園で東邦が優勝という完璧なストーリーの立役者はケロリとしていた。

とはいえ、やはりダメージはあった。全5試合に先発。40回を投げて防御率0・90と“奮投”。チームトレーナーからは「相当疲労がある」と報告があった。森田泰弘監督(60)は体の状態も踏まえて「春は内野手に専念させます。ブルペンにも全く入らない。夏に勝つには石川1人では無理。もう2枚、3枚完投できる投手が必要」と明言。時代またぎの春夏連覇へのチームの課題を挙げた。

高校通算45本塁打の大砲はさらなる成長に貪欲。昨秋から投手を兼任する石川は「僕は打者です」と言い切る。5日からU18日本代表合宿に参加するが、最速157キロ右腕の大船渡(岩手)・佐々木朗希投手(3年)との対面を熱望した。「話してみたい。投手としては別に何もないです。打者としてですね」。打者目線で佐々木の話を聞きたいというから驚きだ。投打の世代トップ同士、どんな化学反応が起こるのか注目される。【柏原誠】

その他の写真

  • センバツを制し優勝旗を手に凱旋(がいせん)した東邦・石川(撮影・森本幸一)