飛龍・橋爪颯介「サスケ」応援歌で強力打線けん引だ

飛龍(静岡)の強力打線を恐怖の1番打者がけん引する。橋爪颯介(さすけ)外野手(3年)は、今春に本塁打を量産。夏は自身にピッタリの応援曲が流れる中で打席に立つ。目指すは初の甲子園出場だ。

飛龍の橋爪は打撃フォームの変更が功を奏し、調子を上げてきた。高校通算11本塁打。昨秋までは2本だったが、冬場に打撃改良に取り組んだ。前チーム主将の深谷力(19=現和歌山ファイティングバーズ)らからアドバイスを受け、フォロースルーを大きく取るフォームに変えた。長打力が増し、3月に対外試合が解禁されると、春だけで9本塁打を放った。橋爪は「フォームが固まり、意識しなくても勝手に長打になってくれる」と手応えを示す。

和歌山市生まれ。中学時代は和歌山ボーイズに所属し主力を務めた。中3夏に飛龍高の練習を見学し、進学を決めた。「練習環境が決め手でした。野球以外にも、生活面で学ぶところも多い。県外に送り出してくれた両親に感謝しています」。現在は寮生活を送り、年末年始以外は親元を離れて過ごしている。

夏の大会は、吹奏楽部も応援する。橋爪は打席に立つ際の応援歌に、1968年(昭43)の忍者アニメ「サスケ」の主題歌をリクエスト。曲名も作品と同じで、「甲子園で花咲徳栄(埼玉)が演奏しているのを聴いて、好きになった。自分の名前とも同じで、ぴったりだと思いました」。歌詞の「来るぞ 来るぞ 来るぞ 来るぞ 手恐いぞ」は、打席に入る橋爪を表現しているようにも感じる。

過去最高成績は、2015年(平27)の準優勝。「秋(御殿場西)、春(加藤学園)と東部勢が県の決勝に進んでいる。夏は自分たちの番。勝って甲子園に行きます」と橋爪。悲願の初優勝に向け、手ごわい男が相手投手の前に立ちはだかる。【古地真隆】

◆橋爪颯介(はしづめ・さすけ)2002年(平14)3月21日、和歌山市生まれ。保育園で野球を始める。野崎小時代は野崎少年野球クラブに所属。河北中時代の和歌山ボーイズを経て、飛龍高に進学。家族は両親と妹2人。184センチ、75キロ。血液型A。