明石商・中森に奥川級の期待/U18選考会投手編
<勝手に高校ジャパン選考会VTR<1>・投手編>
来年のU18日本代表を独断で決めよう。そんな思いつきから、アラフォー記者2人だけの「勝手に選考委員会」を開いた。日本敗退で試合がなくなり「韓国で休めていいね」という声を封じるためではない。
選手ホテル前のマクドナルド。滞在中、何度もお世話になった憩いの場所。昼すぎから始まった選考会は難航した。一番の敵は暑さ。空調が故障。推定35度の蒸し暑さの中、汗だくで2時間もカンカンガクガク。ソフトクリームは溶け、店内の客は全員退去した。女性店員が「この暑い中、おじさん2人は何をしているのか」とばかりに、じろじろ見てきた。もし「来年の日本代表を勝手に考えているんだ」と言ったら、どんな顔をされたことか。
【投手編】
最初に決めたのは投手。昨年のアジア選手権と同じく8人が基本線。エースは明石商・中森ですぐに決まった。甲子園春夏4強は偶然じゃない。奥川級の投手へ成長を期待。次に評価を集めたのは敦賀気比・笠島。甲子園で見せた低めの伸び、精度は計算できる。スタミナ、ハートも強い。
森木(高知)も文句なし。今年の西のような活躍を期待する。馬力があり、三振が取れる。野手でも頼れるスーパーマン。21年のW杯を見据えても入れておきたかった。1年生で甲子園デビューした左腕笹倉(仙台育英)も同様だ。
仲三河(大阪桐蔭)は投手として伸び悩むが、潜在能力は屈指。復活すればエース級。そして大阪桐蔭で主軸を打つ打撃が魅力。今回は西、宮城、浅田、石川、遠藤と投打にわたる戦力が大勢いたが、少ない枠を考えると二刀流はやはり貴重だ。
伸びしろも含めた左腕NO・1評価は静岡商・高田で、ここも順当。九州から唯一選ばれた明豊・若杉は思い切りとスライダーのキレを買った。浦和実・豆田は球の切れ味、度胸があり、東日本担当が「吉田輝星タイプ」と一押し。
右腕は木更津総合・篠木、中京大中京・高橋。左腕は横浜・松本や愛工大名電の1年生田村らも同等の評価だったが、やむなく外した。秋の内容で、ガラリと変わってくるだろう。こんな時期に、情報も薄い中で勝手に選考会をやっている我々が悪い。
投手8人が何とか決まった。右5人、左3人とバランスは悪くない。一致したのは、横手投げがなかなか見あたらない。特殊な変化球の使い手もほしい。左の厚みがもう少しほしい…。一芸に秀でた個性派が今後出てくることを願う。もちろん、軸になるエース候補も。【金子真仁、柏原誠】(野手編に続く)