智弁和歌山・小林「出し切れた」聖地で成長の跡残す

  • 智弁和歌山対尽誠学園 6回裏から登板した智弁和歌山・小林樹斗(撮影・横山健太)
  • 智弁和歌山対尽誠学園 6回裏を無失点に抑えほえる智弁和歌山・小林樹斗(撮影・横山健太)
  • 智弁和歌山対尽誠学園 6回裏、151キロを計測した智弁和歌山・小林樹斗(撮影・岩下翔太)

<甲子園高校野球交流試合:尽誠学園8-1智弁和歌山>◇17日◇甲子園

今秋ドラフト候補で最速152キロ右腕の智弁和歌山・小林樹斗投手(3年)が聖地で成長の跡を残した。7点を追う6回に登板。151キロを計測するなど力強い投球で、3回を2安打無失点に抑えた。「最後に勝てなくて悔しい。0で抑えられたのはプラス。今日はすべて出し切ろうと思って。負けたけど出し切れたと思います」。敗戦を悔しがったが、全力を尽くした。

集大成のマウンドになった。最速152キロの直球が武器だが、力で強引に押すことなく、フォークなど変化球も交えて、投球の幅を見せた。甲子園でも抑えのポジションで、力むことはなかった。中谷仁監督(41)は「よく抑えた。以前はスピードを気にしていたけど、今は0で抑えることに徹している」と成長をたたえた。

同じ右腕の姿を追っている。昨夏の甲子園3回戦で先発。星稜・奥川(現ヤクルト)と投げ合うも、3回2/3を1失点で降板。チームも敗れた。「奥川さんと投げ合えたことが自分のプラスになった」。打者の見方、変化球のコントロール、すべてに圧倒された。「去年の経験があったから成長できたと思う」。この1年、エースとして練習の質、量で誰よりも1番になることにこだわった。中谷監督の「苦は楽の種、楽は苦の種」という言葉にも支えられた。

プロ志望を口にしてきたが進路については「大学も視野に入れて話し合って決めたい」と話すにとどめたが、成長の軌跡はこれからも続く。【望月千草】

▽智弁和歌山・細川主将(チームの敗戦に) 去年の今日負けて終わったので絶対に勝つと思ってました。最後は勝って終わりたかった。(今後は)大学も含めて話し合って決めたい。

▽楽天愛敬アマチュアスカウトグループマネジャー 抑えになってから、腕の振りが良く、マウンドでの堂々とした姿に成長を感じる。プロでも十分通用する。上位候補になるのでは。