秋田中央2年生コンビが活躍!代打小玉9回起死回生打&土谷12回V打
<春季高校野球秋田県大会:秋田中央11-6由利>◇3日◇準々決勝◇こまちスタジアム
秋田中央は2年生コンビがヒーローとなり、死闘を制して2年ぶりの4強を決めた。3-5の9回1死満塁、代打の小玉啓太内野手が逆転の3点適時三塁打。同裏に追いつかれたが、延長12回2死一、三塁から土谷裕太内野手が勝ち越し打を放つなど、同13回からのタイブレーク突入前に大量5得点で勝利をつかんだ。
起死回生の一打だった。あと2死でゲームセットとなる9回のチャンス。代打小玉啓はフルカウントから外角直球をミートし、右越えに運んだ。一気に三塁まで到達。「緊張していたけど、ベンチからも『楽しめ、楽しめ』と言われていたので、思い切ってバットを振ることができた」。塁上では大好きなソフトバンク松田宣浩内野手の「熱男!」ばりの渾身(こんしん)のガッツポーズ。「打った自分が一番びっくりしています」。走者一掃打で今春から指揮する勝田慎監督(47)の起用に応えた。
同級生の大仕事に土谷も奮起した。12回の攻撃は先頭、後続とわずか5球で2死。それでも金子柊斗外野手(2年)が三塁打でチャンスメークし、申告敬遠をはさみ、土谷に打席が回ってきた。「自分の前に申告敬遠をされて、必ず打ってやるという気持ちだけでした」。カウント1-1から外角スライダーを左前へはじき返した。「次の打者が(野呂田)漸さんなので、いつもはつなぐ意識だが、この時ばかりはスイッチが入りました」。10回2死二塁の勝ち越し機で捕邪飛に倒れた悔しさをバットに乗せた。
準優勝した09年以来12年ぶりの決勝進出へ、6日に大館鳳鳴と激突する。土谷は「夏のシード権は獲得して東北大会はなくなってしまったが、チーム一丸で戦いたい」。劇的勝利の勢いを加速させ、栄光に向かって突き進む。【山田愛斗】