プロ注目の大島・大野稼頭央2日で346球熱投「気持ちで」次戦も投げる

  • 勝利の瞬間、雄たけびを上げる大島・大野(撮影・菊川光一)

<高校野球秋季九州大会:大島3-2大分舞鶴>◇7日◇1回戦◇平和リース球場

大島(鹿児島1位)が、大分舞鶴(大分2位)との引き分け再試合を3-2で制し8強入りした。

ドラフト候補で最速146キロのエース左腕、大野稼頭央投手(2年)は2日連続の完投で貢献。延長10回だった前日6日が186球で再試合は160球を投じた。

大会は休養日を挟んで9日に準々決勝4試合。1週間500球以内の球数制限がある中、大野はセンバツ切符の懸かる興南(沖縄1位)との一戦も先発するつもりだ。

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離島勢として初めて鹿児島大会を制した大島の鉄腕、大野が2日間346球の力投で初戦突破に導いた。

9回2死一、二塁。最後の打者を二ゴロに打ち取りジャンプしてガッツポーズ。雄たけびも出た。自身初の300球超えに「勝ててホッとしています」と安堵(あんど)。これでセンバツ切符に王手をかけた。次の興南戦では1週間500球の球数制限に達する可能性がある。それでも「甲子園へ絶対落とせない。気持ちでマウンドに立ちたい」と3戦連続先発を辞さなかった。

前日6日は激闘の末、天候不良のため延長10回4-4で引き分け再試合となった。試合後は温泉に向かい「1時間入ってリフレッシュできました」と疲労回復に努めたが、疲れは残っていた。直球は序盤に137キロをマークした以外は「8割の力で投げた」とほぼ130キロ前後。90キロ台のスローカーブやスライダーを織り交ぜ緩急で翻弄(ほんろう)し、9回2失点で完投。12三振を奪い、2日間で計28奪三振と気を吐いた。

名前の「稼頭央」は、父がファンという松井稼頭央(西武1軍ヘッドコーチ)が由来だ。「すごいしかない」と尊敬する名選手にも負けない活躍でけん引してみせる。【菊川光一】

◆大野稼頭央(おおの・かずお)2004年(平16)8月6日生まれ、鹿児島・奄美大島の龍郷町出身。龍南中3年時の選抜チームで離島甲子園出場。最速は大島入学時から約20キロ増の146キロ。変化球はカーブ、チェンジアップ、スライダー。175センチ、63キロ。左投げ左打ち。