八戸学院光星が5年ぶり4強 洗平比呂が同学年のエース岡本琉奨を刺激に好救援
<高校野球春季東北大会:八戸学院光星7-0鶴岡東、仙台育英8-0一関学院>◇8日◇準々決勝◇岩手・きたぎんボールパーク
八戸学院光星(青森2位)が鶴岡東(山形1位)に7-0で8回コールド勝ちし、5年ぶりの4強入り。昨夏甲子園メンバーの洗平比呂投手(2年)が6回から救援登板し、3イニングを完全投球。中沢恒貴主将(3年)が3安打を放つなど、2試合連続2桁安打の猛攻を見せた。
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エースナンバーを背負う同学年左腕の“ライバル”に負けず、快投を演じた。先発の岡本琉奨投手(2年)が5イニングで3度、得点圏に走者を置いても無失点で切り抜け、0-0の6回から洗平が今大会初登板。「ああいったピッチングをされたら刺激になる」と奮い立ち、山形王者を相手に3者凡退に抑える立ち上がり。同裏は自身の適時打を含む3得点を挙げ、試合の主導権を握った。
最速140キロを超える直球とスライダーを軸とした投球で1人も走者を背負わず、チームメートが以降2イニングで4点を加点し、8回コールド勝ち。この日も3年生部員が応援席から声を張り上げ、背中を押してくれた。昨夏甲子園も経験した2年生は「3年生の思いも背負ってメンバーに入っている。3年生の気持ちは自分たちに伝わっている」と言い切った。
投手陣が安定する中、攻撃力が高い打線も輝いた。「3番遊撃」で主将の中沢恒は今大会、軽快な守備でアウトを積み重ね、9打数5安打と躍動。この日は3安打1打点をマークし、サヨナラとなる7点目のホームを踏んだ。仲井宗基監督(53)は「昨夏から経験しているので、これぐらいのことをやってもらわないと困る。彼だけのチームではないが、中心でしっかり引っ張っている」と期待を寄せる。
秋の新チーム初戦は県2回戦で初戦敗退。一冬を越えて東北大会準決勝まで勝ち上がってきた。試合後、勝利を喜ぶナインを集めた仲井監督は「厳しい試合をものにできたのは非常に大きい。また1戦1戦、相手のレベルが上がっていくので、しっかりこういうゲームをできるように気を引き締めていこうと伝えた」。東北を代表する名門校に緩みはない。【相沢孔志】
○…宮城県勢最後のとりで仙台育英(宮城1位)は、投手陣の躍動で4年ぶりの4強を決めた。田中優飛投手(3年)が、1回2死一、二塁のピンチを無失点に抑え、2回はバットで先制適時打。5回4安打無失点で投球をまとめ、須江航監督(40)は「初回に0を入れてくれたので良かった。ブルペンを含め、投球練習も球が高かったので、回を追うごとによく修正した」と評価した。岩手・大船渡市出身の仁田陽翔投手(3年)は、2回無安打4奪三振無失点の好投。「『地元だ』と感じて、落ち着いて投げられた」と振り返った。