弘前学院聖愛が仙台育英破り4強 エース吹田志道が救援で6回2失点と粘投「絶対抑えてやる」
<春季高校野球東北大会:弘前学院聖愛7-6仙台育英>◇15日◇準々決勝◇宮城・仙台市民球場ほか
弘前学院聖愛(青森1位)が仙台育英(宮城1位)との点の取り合いを制し、19年春、22年春に続く3戦連続の7-6で勝利した。最速142キロエース右腕の吹田志道(しどう)投手が4-4で迎えた4回からリリーフ登板。6回6安打2失点と粘投し、勝利を呼び込んだ。準決勝は17日に花巻東-青森山田、弘前学院聖愛-盛岡大付で行われる。
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最後の打者を空振り三振に切って取った吹田は、小さく拳を握り締めた。「やっと終わったか…という感じでした」。点を取って取られての試合展開。リードしても食らい付いてくる仙台育英打線に気が休まらなかった。7-6と1点リードで迎えた9回裏には1死一、三塁とピンチに陥った。「打たれたら終わるんだろうな」という思考が頭をよぎったが、「絶対抑えてやるぞという気持ちのほうが強かった」。不安を抑え込み、強気で腕を振った。
試合前から闘志を燃やしていた。吹田が同校に入学したばかりの22年春、2つ上の先輩たちが、東北大会準々決勝で仙台育英を7-6で下した。吹田ら1年生は学校におり、休み時間にネットで試合経過を確認していたという。吹田は「先輩たちが戦ったのは(同夏に)甲子園を優勝した代の仙台育英さん。とてもすごい」と当時を思い返し、先輩たちと同じ準々決勝での対戦に「『意地でも勝ってやるぞ』という気持ちでいました」と一層燃えた。
吹田が6回6安打2失点の粘投で意地を見せれば、野手陣も攻守で支えた。吹田は「守備のみんながここまで頑張ってくれて助けてくれた」と感謝。最後のガッツポーズには喜びや安堵(あんど)、感謝などいろんな思いがこもっていた。
次戦は盛岡大付と対戦する。吹田は「強打のチーム。なんとかピッチャー陣が頑張って、最少失点に抑えたい」と意気込んだ。仙台育英に勝利した19年春はそのまま優勝も、22年春は4強止まり。野手陣を支える投球で、あの日の先輩たちを越えてみせる。【濱本神威】