盛岡大付が準決勝へ 桜庭千晃が先制&中押し適時打「甘く入った球を仕留めよう」狙い通り

  • 盛岡大付対ノースアジア大明桜 5回盛岡大2死二塁、先制の左前適時打を放つ盛岡大付・桜庭(撮影・木村有優)
  • 【イラスト】春季高校野球東北大会勝ち上がり

<春季高校野球東北大会:盛岡大付8-1明桜>◇15日◇準々決勝◇宮城・仙台市民球場ほか

盛岡大付(岩手2位)が明桜(秋田1位)を8-1で破り、4強に駒を進めた。準決勝は17日に花巻東-青森山田、弘前学院聖愛-盛岡大付で行われる。

4回まで沈黙したが、この男がチームに火をつけた。5回2死二塁で桜庭千晃(ちあき)外野手(3年)が左前適時打を放ち先制。さらに7回にも2死三塁で再び中前適時打。「厳しいところをファウルで粘り、甘く入った球を仕留めよう」と逃さなかった。9回無死二、三塁で申告敬遠を宣告されると後続が走者をかえし、一挙5得点で最終回のビッグイニングに貢献した。「打ちたい気持ちが前に出て動きが硬くなる中で、体も気持ちも落ち着かせた」と振り返った。

昨夏は23年ぶりの初戦敗退、昨秋も岩手県大会準々決勝敗退。この悔しさを糧に冬を越えてきた。今春から低反発バットに完全移行したが、これまでと変わりないほど打撃力がついた。「冬に筋トレや打撃練習を徹底したのが要因」と胸を張る。さらに打撃練習では11メートルほどの距離から投じてもらうことで速球派にも対応できるようになった。

だがまだまだ課題は残る。県大会決勝では花巻東に0-3で敗れた。今大会の戦いぶりにも「エラーや隙がある」と反省したが「その中でも勝ち切れているのは自信になっている」と前を向いた。夏前最後の公式戦で甲子園出場に向けて自信と経験を積み力をつける。【木村有優】