花巻東8大会ぶり決勝進出 葛西陸は高校初の完封「まとまりが良かった」変化球中心に9奪三振
<春季高校野球東北大会:花巻東2-0青森山田>◇17日◇準決勝◇石巻市民球場
花巻東(岩手1位)が投手戦を制し、8大会ぶりの決勝進出を果たした。
先発の葛西陸投手(3年)が高校では初となる完封で、今春センバツ8強の青森山田(青森2位)打線を封じた。2回に2死満塁から簗田蒼汰内野手(3年)の三塁への内野安打で2点の援護をもらうと、葛西もエンジン全開。3回には1死満塁を招くも「初球の変化球にタイミングが合っていなかった」とピンチでも冷静に分析。得意のスライダーで三振、一ゴロに打ち取って切り抜けた。
葛西は117球を投げて6安打9奪三振。最後の打者を空振り三振に取ると、大きなガッツポーズと雄たけびをあげて喜びを爆発させた。
適応力が持ち味だ。2週間前の練習試合では、力んで高めに浮いた球を捉えられ5回1失点。それから低めを意識した練習を行い、試合でも修正を加えながら投球している。岩手県大会では直球が中心だった配球も「ブルペンで投げていて変化球のまとまりが良かった」と、この試合では全体の6割ほどを変化球に。試合当日の状態に合わせて起用に投球スタイルを変えている。
18日は弘前学院聖愛(青森1位)との決勝戦を迎える。葛西は「完封で自信がついたが、まだまだ自分の投球ができていないところがある。ボールにまとまりができるように修正したい」と意気込んだ。8大会ぶりの優勝を決め、夏に向けて弾みをつける。【木村有優】