花巻東が東北大会V 8カ月ぶり公式戦小松龍一「とにかく1点で」仲間信じタイブレーク乗り切る

  • 弘前学院聖愛対花巻東 8回途中から3番手で登板し、2回2/3を投げ、2安打1失点(自責0)と好投し、勝利を引き寄せた花巻東・小松(撮影・濱本神威)
  • 弘前学院聖愛対花巻東 延長10回表タイブレークを1点で抑え、ベンチへと戻る花巻東・小松(撮影・木村有優)
  • 弘前学院聖愛対花巻東 延長10回裏タイブレーク1死二、三塁で一塁へ同点打を放つ花巻東・小松(撮影・木村有優)

<春季高校野球東北大会:花巻東3-2弘前学院聖愛>◇18日◇決勝◇宮城・石巻市民球場

春季東北大会決勝が18日、宮城・石巻市民球場で行われ、花巻東(岩手1位)が弘前学院聖愛(青森1位)を延長10回タイブレークの末、3-2とサヨナラで下し、10年ぶりに春の東北王者に輝いた。8回途中から3番手で救援した花巻東の小松龍一投手(3年)が約8カ月ぶりに公式戦のマウンドに復帰し、2回2/3を1失点と踏ん張って勝利を呼び込んだ。

タイブレークに突入した延長10回は、1死一、三塁から左犠飛で1点を勝ち越されたものの「仲間が点数を取ってくれると信じていたので、とにかく1点で終わろう」と、次打者を渾身(こんしん)の直球で見逃し三振に仕留め最少失点で切り抜けた。

自らの腕でチームを甲子園へ導く。昨年10月の鹿児島国体以降、不調に陥り、公式戦のマウンドから遠ざかっていた。チームメートの姿に「もっとしっかりとプレーをしなければ」と複雑な思いを抱いたことも。「全員が納得してマウンドを託してもらえるように成長して、高校野球の全てが詰まった甲子園に戻りたい」と夏へ向けてさらに力をつける。