関東第一・高橋徹平「試合が楽しかったので自然と」笑顔でプレー貫き5年ぶり甲子園切符/東東京
<高校野球東東京大会:関東第一8-5帝京>◇29日◇決勝◇神宮
関東第一(東東京)が「笑顔」を貫き、5年ぶり9度目の頂点に立った。4-4の5回無死一、三塁から、越後駿祐内野手(2年)の中適時二塁打などで一挙4得点。粘る帝京を突き放した。高校通算60本塁打を誇る主将の高橋徹平内野手(3年)の声かけで、チームは終始笑顔でプレーすることを徹底してきた。劣勢でもうつむかずにはね返し、春夏連続の甲子園出場を決めた。初戦敗退だった今春センバツの雪辱へ、まずは夏1勝を目指す。
追い込まれても、関東第一の高橋は下を向くことはなかった。3点リードの3回、帝京に4点を奪われて一時逆転を許した。劣勢に立たされたが、高橋は三塁のポジションから声を張り上げ、チームを鼓舞し続けた。「とにかく笑顔を作るというのは自分が筆頭でできれば」。チームの誰もが暗くなることなく攻め続けた。4回に追いつき、続く5回に一挙4点を奪って勝ち越し。「最後は楽しんでやりましょうという話はしました」。後ろ向きになることなく、笑顔で5年ぶりの夏の甲子園を決めた。
1年生から活躍し、高校通算60本塁打の大黒柱。ただ、米沢貴光監督(48)から「自分の結果じゃなくチームの結果を最優先できるように」と新チームで主将に指名された。野球人生初の主将の大役。就任当初は不慣れなこともあった。どんな時も「笑顔」を心がけるように努めた。春のセンバツで初戦敗退しても、悲観せずに仲間と夏を目指した。激戦区の東東京を勝ち抜くため、前向きで、明るいチームを目指してきた。
決勝でも、率先して楽しんだ。3回1死二、三塁。右中間を破る2点適時二塁打を放つと、二塁ベース上で仲間に向かって満面の笑みを浮かべた。主将の表情に、ベンチの士気も高まった。「(笑顔は)意識というか本当に試合が楽しかったので、もう自然とできてたって感じです」。気がつけば、笑顔で仲間を導けるまでに成長していた。
センバツの借りを返す挑戦権を得た。ひとまずの目標は、全国の舞台で1勝し、校歌を歌うこと。「東東京、全国の魂を背負ってやっていきたいと思います」。聖地での苦い思い出を、うれしい思い出に笑顔で書き換える。【水谷京裕】
◆関東第一 1925年(大14)に創立した私立校。生徒数2493人(女子1170人)。野球部は27年創部で部員数92人(マネジャー12人)。甲子園出場は春7度、夏は9度目。主な卒業生は中村祐太(西武)、オコエ瑠偉(巨人)、石橋康太(中日)、井坪陽生(阪神)。所在地は江戸川区松島2の10の11。乙幡和弘校長。
◆Vへの足跡◆
3回戦4-3芝
4回戦8-0足立新田
5回戦8-1成立学園
準々決勝8-4修徳
準決勝6-1二松学舎大付
決勝8-5帝京
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