【甲子園】関東第一初V届かずも知らないおばちゃんから「頑張ってね!!」感じた下町のぬくもり

  • 京都国際対関東第一 京都国際に敗れた関東第一。右端は米沢監督(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 京都国際に敗れ、うつむきながら引き揚げる関東第一・米沢監督(右)(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 5回表京都国際2死一、三塁、金本を遊ゴロに仕留めガッツポーズする畠中(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 6回表京都国際2死二、三塁、高岸を空振り三振に仕留めガッツポーズする畠中鉄(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 関東第一先発の畠中(撮影・足立雅史)
  • 第106回全国高校野球選手権 第14日 決勝 京都国際対関東第一 1回表京都国際の攻撃を3者凡退に抑えタッチを交わす畠中(右)と熊谷(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 三谷誠弥の投ゴロをさばく畠中鉄心(撮影・上田博志)
  • 京都国際対関東第一 関東第一・米沢監督(右)と話をする京都国際・小牧監督(撮影・上田博志)
  • 京都国際対関東第一 関東第一・米沢監督(右)と話をする京都国際・小牧監督(撮影・上田博志)
  • 京都国際対関東第一 関東第一・米沢監督(右)と話をする京都国際・小牧監督(撮影・上田博志)
  • 京都国際対関東第一 準優勝の記念撮影を行う関東第一。後方左端は米沢監督(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 試合を終え、互いの健闘をたたえ合う京都国際・小牧監督(左)と関東第一・米沢監督(同2人目)(撮影・上山淳一)
  • 京都国際対関東第一 試合を終え、互いの健闘をたたえ合う京都国際・小牧監督(左)と関東第一・米沢監督(同2人目)(撮影・上山淳一)
  • 京都国際対関東第一 試合を終え、互いの健闘をたたえ合う関東第一・米沢監督(右)と京都国際・小牧監督(撮影・上山淳一)
  • 試合後、笑顔で会話を交わす京都国際・小牧監督(右)と関東第一・米沢監督(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 関東第一2番手の坂井(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 関東第一2番手の坂井遼(撮影・石井愛子)
  • 試合前、ノックを行う関東第一・米沢監督(撮影・足立雅史)
  • 甲子園球場入りする関東第一・米沢監督(左端)と選手たち(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 関東第一2番手の坂井(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 タイブレークの10回、関東第一・坂井遼はマウンドを降りる(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 タイブレークの10回、関東第一・坂井(左)は大後にマウンドをたくす(撮影・足立雅史)
  • 京都国際対関東第一 10回表京都国際無死満塁、関東第一・大後(右)と交代するエース坂井(撮影・上田博志)
  • 京都国際対関東第一 10回表京都国際無死満塁、押し出し四球で奥井(左)の生還を許す関東第一エース坂井(撮影・上田博志)
  • 京都国際対関東第一 10回表京都国際無死満塁、金本(右)に押し出し四球を与える関東第一エース坂井(撮影・上田博志)
  • 京都国際対関東第一 9回表2死三塁、奥井颯大に死球を与えた関東第一エース坂井遼は顔をゆがめる(撮影・上田博志)
  • 京都国際対関東第一 6回表京都国際2死二、三塁、高岸栄太郎から三振を奪い雄たけびをあげる畠中鉄心(撮影・上田博志)
  • 京都国際対関東第一 関東第一先発の畠中鉄心(撮影・石井愛子)
  • 京都国際対関東第一 2番手で登板する関東第一エース坂井(撮影・上田博志)

<全国高校野球選手権:京都国際2-1関東第一>◇23日◇決勝

下町の期待を背負った関東第一(東東京)は、甲子園初優勝にあと1歩届かなかった。センバツ初戦敗退後、チームはどん底に。指導歴24年の米沢貴光監督(49)が立て直し、豊富な投手陣を軸にディフェンス型のチームを作り上げて“シン時代”の高校野球を接戦で勝ち上がった。

   ◇   ◇   ◇

関東第一の下町パワーは、頂上まであと1歩だった。チームを率いて24年、初めて甲子園決勝に進んだ米沢監督は「当然もう、悔しいですよね」。狙った金メダルは、わずかの差で銀メダルになった。

東京・江戸川区瑞江の生まれ。「近所の方々に野球を教えてもらったのが原点」と懐かしむ。荒川に江戸川と多くの川に囲まれ、それら河川敷にはグラウンドが多い。「野球は昔から盛んだし、支えていただいているのはボランティアの指導者の方々ですよね」。ボールを投げたら川の向こうに届くかな-。下町の野球少年ならではの原風景だ。

時代は変わる。広い空へ東京スカイツリーが伸び、関東第一の校舎からも拝める。そのふもとでは「子どもの数が減って野球チームもなくなったり、吸収合併になったり、いろいろ聞きます」。それでも「彼がすごく頑張ってくれて、何かまた1つの力になれば」。

彼、というのは決勝でも先発好投した背番号10の畠中だ。区内の上一色中の出身。畠中は今春、センバツ出場が決まった直後の記憶が忘れられない。「制服で商店街を歩いていたら、知らないおばちゃんから『甲子園決まったんでしょ? 良かったね、頑張ってね!!』って言ってもらえたんです」。普段は千葉県内で練習する彼らにとって、通学時に感じる下町のぬくもりは極上のいやしだ。

東東京勢としては95年の帝京以来、全国制覇から遠ざかる。帝京の監督を勇退した前田三夫氏(75)、関東第一の元監督である小倉全由氏(67=U18日本代表監督)ら多くの思いを背負い、チームカラーの紫をまとって江戸の代表として戦った夏。「本当に温かい声援をいただいて感謝しかありません」。密になれないコロナ禍を経て、下町がまた濃密になった夏だった。【金子真仁】

【甲子園】京都国際が初優勝 決勝史上初のタイブレークで関東第一破る/詳細