二松学舎大付・及川翔伍Vに涙「負けてたまるか!」エースの意地9回2失点流れ引き寄せる好救援
<高校野球秋季東京大会:二松学舎大付6-5早実>◇7日◇決勝◇神宮
二松学舎大付が延長12回、タイブレークの末にサヨナラ勝ち。21年ぶり3度目の優勝を果たし、センバツ出場が濃厚となった。エース及川翔伍投手(2年)が流れを引き寄せた。4回からマウンドに上がると、打たせてとる投球で延長に持ち込み、タイブレークを粘りの投球で無失点に抑えた。5-5で迎えた12回裏、1死満塁で根本千太郎内野手(1年)がスクイズで試合を決め激闘に終止符を打った。明治神宮大会(20日開幕)の出場権も獲得。10地区全てが終了した。
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「気持ちが折れそうでした」。試合後、エースの及川翔伍投手(2年)は本音をもらした。延長に入り毎回無失点に抑え打線に願いを託した。12回表は「これで打たれたら仕方ない」と自信のある直球で勝負し1死満塁から2三振で流れを引き寄せた。根本のスクイズでサヨナラ勝利が決まると「素直にうれしいです…」。苦しかった試合に終止符を打ち、涙があふれた。
エースの意地が湧き起こった。2点ビハインドで迎えた4回からマウンドに上がると、5回から味方打線が1点ずつ返してくれた。「負けてたまるか! という気持ちになった」。変化球でカウントを整え、「今夏、東東京大会で関東一に負けてから磨いた」というキレのある直球と得意のフォークで尻上がりに調子を上げた。9回を投げ8安打2失点。「自分でもビックリ」と笑顔を見せた。
43年前の戦いにリベンジした。秋、同カードの決勝は81年以来。市原勝人監督(59)は当時同校エースで早実のエースは荒木大輔氏(60)だった。試合は4-2で迎えた9回に8点を奪われ逆転負け。及川は「準決勝後のニュースで知りましたが、へぇそうなんだ、というくらいで…」と生まれる前のことでピンとこないが、この勝利の価値は身に染みて感じた。「甲子園で1勝したい」。次の舞台へ夢は広がる。【保坂淑子】
二松学舎大付が21年ぶりV 早実との延長12回タイブレークをサヨナラスクイズで制す/詳細