イチロー先生が古豪・岐阜野球部を指導 部員の理解力などに「インパクトありました」刺激受けた
日米通算4367安打のイチロー氏(51=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が16、17日の2日間、岐阜高の硬式野球部員18人(他に見学の3年生11人)を指導した。高校の野球部指導は大冠(おおかんむり、大阪)に続き、2週連続で通算10校目。岐阜は毎年東大などに合格者を出す県内屈指の進学校で、部員の理解力、吸収力の高さにイチロー氏も驚いた。
創立151年の伝統校で、野球部も「日本最古」ともいわれる1884年(明17)の創部。春夏計6度の甲子園出場を誇り、西武などで監督を務めた森祇晶氏らを輩出した。甲子園出場は78年のセンバツが最後で、夏は54年以来70年遠ざかる。今回はOBの手紙がきっかけで指導が実現した。
イチロー氏はキャッチボールやフリー打撃で手本を見せ、守備や走塁などを丁寧に教えた。特に走塁練習がスムーズにできたことに感心。練習後のミーティングでは「甲子園を目指し、がんばってほしい。でも、その先をもっと期待したいと思える。社会に出て、社会を引っ張っていく人材だろうとすごく思いました。僕にとっても刺激が強い。高校生を見る目が変わるかも。それぐらいインパクトがありました」などとエールを送った。
荒井駿主将(2年)「幸せな時間でした。本当に。(これまでのチームと違う、高校野球のその先もと)それ以上にうれしい言葉はないと僕自身思いますし、野球に関して僕たちが向き合ってきた部分が今後の生活に生きるっていう言葉は、本当に僕たちが勉強ももちろん大事ですけど、それを削って、他の生徒とは違う時間の使い方をしてきたものが、無駄じゃない、今後につながるんだという言葉をいただけて、うれしい限りです。(印象に残っていることは)一番、多く話をしていただいた股関節の使い方。目指すところは1つ(甲子園出場)です」
八代周士監督(63)「普段から、よく人の話を聞ける生徒たちだと思いますけど、この2日間、特に、本当に2度とない機会の中で、本当にひと言も漏らさずに自分の得るものにしたいという姿は感じました。こんなに刺激をいただける機会は普通に過ごしていて、ないことだと思うので、このいただいたきっかけを生徒たちが野球でまずはものにしてくれるように夏に向けて頑張りたい。それ以外の面でも先の長い人生の中で、社会に出た時に何かの世界でプロになっていく子たちですので、本当にリーダーとなって社会を引っ張っていけるような取り組みを野球を通じて身に付けて、大人になってくれたらいいなと思います」