最速150キロ左腕、古谷優人(3年)の今季初戦となった春季大会の十勝地区初戦には、10球団のスカウトが集結した。2失点で敗れたが、スライダーを駆使して10三振を奪う姿に評価は上々。「悔いの残らないように」と最後の夏、初の甲子園へチームを引っ張る。ロッテ古谷は遠い親戚だ。
183センチの長身右腕・種市篤暉(3年)は最速148キロの直球が武器だ。冬場の走り込みで太ももは5センチ大きくなり61センチに、体重は74キロから80キロに達した。今春のセンバツ出場の青森山田と八戸学院光星がともにノーシードとなり「甲子園に出なければ、この高校に来た意味がない」と意気込む。
投手歴わずか2年の長井良太投手(3年)が、最速149キロの直球を武器に躍進を狙う。中学時代は捕手だったがプロ注目に成長した。これまで4投手をプロに送り込んでいる森田健文監督(30)が「素材は1番」と期待する右腕が、同校初の甲子園出場という歴史を刻む。
プロ注目の最速148キロ右腕今井達也投手(3年)が最後の夏に挑む。今春の県大会は小針崇弘監督(33)の「2人目の投手を探す」という方針で登板機会はなかった。「夏はエースを狙う」と雪辱を誓う。春の悔しさをぶつけて、夏県6連覇を目指す。
巨人マニアな男が初の甲子園を狙う。岡本卓也投手(3年)は巨人沢村をまねたセットポジションからのスライダーが武器。3月の準公式戦・中毛リーグで前橋育英から13三振を奪い、3−2で完投勝利を挙げた。「投げる試合はゼロで抑えたい」と鼻息の荒さも沢村似だ。
プロ注目左腕高橋昂也投手(3年)は最速145キロで三振を量産する。春の県大会は腰のけがで回避したが、6月に復帰するやプロ9球団の前で最速タイをマーク。「上半身の筋力強化」を意識したリハビリが功を奏した。「目標は3季連続甲子園。その先で1つでも多く勝てれば」。偉業に挑む。
島孝明投手(3年)は、最速153キロの速球が武器のプロ注目右腕。春の県大会では優勝、関東大会では8強に導いた。マリナーズ岩隈を理想に、力みない投球を目指す。速球に対する思いは強く「目標は157キロ」。2年ぶりの聖地に導き、甲子園最速記録である155キロを塗り替える。
1年からエースで甲子園を2度経験した大江竜聖投手(3年)が、最後の夏を迎える。昨夏は4回戦で堀越に逆転負け。秋以降は2季連続で関東第一に決勝で惜敗した。プロ注目の左腕は「夏は1つの油断で大量失点する怖さがある。気を抜かずに戦って、全国制覇したい」と引き締めた。
西東京の「ドクターK」が旋風を巻き起こす。左腕エース長谷川宙輝(ひろき)投手(3年)は昨秋、ブロック予選の日本工大駒場戦で20奪三振の快投。続く東大和戦でも毎回の14三振を奪い、プロのスカウトから注目される存在になった。最速144キロの直球と落差のあるスライダーで三振を量産しながら、昨秋、今春ともブロック予選で敗退。最後の夏へ向け「神宮のマウンドに立ちたい」と躍進を誓った。
ドラフト1位候補の最速152キロ右腕、藤平尚真投手(3年)がスタミナ強化に成功した。最近の練習試合では、完投し終盤で140キロ台を連発。「冬のトレーニングの成果です」と胸を張る。渡辺元智総監督(71)が「(ロッテ)涌井以上の力」と、太鼓判を押すエースが最初で最後の聖地を狙う。
最速146キロ右腕の菊地大輝(3年)は、新たな武器を手に3年連続の甲子園を狙う。今春の関東大会直前にフォークを習得。同大会では、新球を軸に花咲徳栄を7回2安打1失点に抑えた。「手応えはあります。甲子園優勝を目指して、1試合1試合集中していきます」と意気込んでいる。
エース藤嶋健人投手(3年)は選抜2回戦敗退の雪辱を果たす。最速146キロ右腕は「今から球速を上げることは難しい。ブルペンではコーナーに投げ分ける意識を強めている」。25日の愛知大会抽選会前も学校のブルペンで約100球投げ込んでから会場に来るほど、投手の練習に比重を置いている。
世代最強左腕の呼び声高いのが、寺島成輝投手(3年)だ。前回出場時の10年は、トリプルスリー男、ヤクルト山田が攻守でけん引した。寺島も同様のスター街道を突き進む可能性を秘めている。山田は3年春から急速に成長曲線を描いた。春の大阪、近畿、夏の大阪を制し、甲子園出場。高校日本代表に選ばれ、ドラフト1位を射止めた。寺島も今春の大阪で、入学以来初めての優勝。近畿大会も頂点に立った。今春の公式戦は5試合26回1/3を投げ、失点、自責ともにゼロ。狙うのは「夏の頂点」だ。
最速150キロ右腕の高田萌生(3年)が、進化した姿を披露する。球に角度をつける狙いでプレートの踏む位置を三塁側に変え、さらに相手打者を見ながら冷静に投げる。昨夏は岡山決勝で力つきた。苦い反省から、新たに相手打者を打ち取る方法を身につけた。「自分の力以上のものが出せる場所」という甲子園へ進化を経て凱旋(がいせん)する。
プロ注目、梅野雄吾投手(3年)が剛腕で77年夏以来の甲子園に導く。3月下旬には自己最速の154キロをマーク。夏予選へ「155キロは出せると思う。小野郁さん(西日本短大付−楽天)の最速153キロを更新して優勝したい」。センバツを逃した悔しさを最後の夏にぶつける。
プロ入りするため今春、外野手から遊撃手に転向した石垣雅海(3年)が本塁打量産態勢に入った。初戦敗退に終わった東北大会後の新潟遠征で2本、26日の盛岡大付(岩手)との練習試合でも2発ぶちこみ、通算34本まで積み上げた。目標の40本に向けて「甲子園に出て達成したい」と意気込んだ。
ロッテ平沢が抜け、1年秋から正遊撃手の座をつかんだのが西巻賢二(2年)だ。左右の違いはあれど、シュアな打撃と堅実な守備は「平沢2世」の呼び声高い。昨夏の準決勝で対戦した早実・清宮とは連絡を取り合う仲で「甲子園で再会を約束してます」。平沢と同じく高卒でのプロ入りが目標だ。
打っても、投げてもスゴいんです!細川成也外野手(3年)は、高校通算59本塁打を放ち、投げては最速146キロと、投打でハイレベルな二刀流だ。希少な右の大砲には多くのプロスカウトも熱視線を送る。
巨人坂本らを指導した金沢成奉監督(49)のいる同校を選び、一気に才能が開花した。1年時は2本塁打に終わったが、冬場に同監督と二人三脚で打撃を徹底改造すると、2年から本塁打を量産。投手としても最速146キロの本格派で、スライダーも130キロを超える。プロも注目するスラッガー&右腕が、この夏の大暴れを目指している。
小野貴照捕手(3年)は168センチ、80キロとガッシリ体形の4番打者。漫画「ドカベン」の主人公、山田太郎と重なり、本人も「栃木のドカベンと言われてみたい」と意気込む。今春の関東大会は2試合で打点0に終わった。「塁に走者がいたら必ずかえしたい」と本家並みの活躍を目指す。
宮本隆寛内野手(3年)は、「機動破壊」と呼ばれる機動力を駆使して2年連続夏甲子園出場中のチームの中心選手。春県大会準々決勝・伊勢崎清明戦は9回裏1死から出塁後に二盗を決め、同点のホームを踏んだ。秋春連続で県優勝を逃し「夏は挑戦者の気持ちで戦う」と雪辱を誓う。
関谷将貴内野手(3年)は50メートルを5秒8で走る。「高校で練習試合含めて5回も刺されていない」という俊足で、今春は7試合7盗塁を収めた。打っては芯を捉えたバッティングでチームを引っ張る4番。1年時は先輩たちが連れて行ってくれた甲子園に「後輩たちを連れて行く」と意気込む。
丸茂弘汰内野手(3年)は高校通算30本塁打。149キロのスイングスピードはプロでも主砲級といわれる。昨秋の県大会では、プロ注目右腕、東海大市原望洋・島孝明投手(3年)から逆転サヨナラ2ランを放った。「夏はチャンスで全部ヒットを打つ」。チームを2年連続の甲子園に導く。
渡部健人内野手(3年)が持ち前のパワーを披露する。1年夏から横浜商大高(神奈川)で主力も、昨春に同校へ転入。今春から公式戦に出場して創部初のシード獲得に貢献した。高校通算22発で「おかわり君」と呼ばれる体重105キロの遊撃手は「神宮の上段にぶち込みたい」と言った。
高校通算50発の清宮幸太郎内野手(2年)が、2年連続の夏の聖地へ打ちまくる。今春の東京大会は「4番中堅」だったが、夏は「3番一塁」での出場が濃厚だ。昨夏の西東京大会は本塁打ゼロ。「甲子園に出ると出ないじゃ大違い。チームの勝ちを最優先に、去年より打たなきゃダメ」と闘志を燃やした。
4番として通算23本塁打を放つ中川颯投手(3年)は、今春だけで13本塁打を固め打ちした。昨年の秋季大会後は、3カ月間ほぼバットを触らずトレーニングに明け暮れた。「力がついて、逆方向にも本塁打が打てるようになりました」。アンダースローのエース右腕としても、けん引する。
1年夏から3季連続で甲子園を経験した鈴木将平外野手(3年)は今秋のドラフト候補。50メートル5秒8の俊足に高校通算16本塁打とパンチ力もあり、広い守備範囲と強肩も魅力だ。主将としてもチームをけん引し「一戦必勝で粘り強く自信を持って戦いたい。足をいかした自分らしい打撃をしたい」と意気込んだ。
履正社・寺島成輝投手(3年)がライバルとみるのが、吉沢一翔内野手(3年)だ。「選球眼がよく、コースをついてもファウルで粘ってくる」と警戒される。今春選抜で大阪桐蔭の4代連続主将アーチをかけ、現在高校24本塁打。「春は出し切れなかった力を夏は出しきりたい」(吉沢)と完全燃焼する。
プロ注目、強肩強打の九鬼隆平捕手(3年)が頂点を狙う。熊本地震の影響もあり5月の九州大会は初戦負けしたが、1日1500スイングを繰り返し打力アップ。「野球ができることに感謝し練習や試合を行っていかなければいけない」。6月には高校通算21本塁打を記録するなど調子は上向きだ。
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