【全日本大学選手権】快進撃の富士大が敗退…安田監督「僕としては『よくやった』と言いたい」

  • 青学大対富士大 5回表青学大1死満塁、渡部に中犠飛を許し、ぼう然とする富士大ベンチ(撮影・浅見桂子)
  • 青学大対富士大 決勝進出を逃し、悔しそうな表情であいさつする中岡(左から2人目)ら富士大ナイン(撮影・浅見桂子)

<全日本大学野球選手権:青山学院大5-2富士大>◇10日◇準決勝◇東京・神宮球場

快進撃を続けてきた富士大(北東北)が力尽きた。青学大(東都)に2-5で敗戦。準優勝した09年以来、14年ぶりの決勝進出を逃した。序盤に4失点も、5回途中から登板した3番手・新川俊介投手(2年=具志川商)が、4回1/3を1安打無失点と好救援。打撃陣は1番麦谷祐介外野手(3年=大崎中央)がソロ本塁打を放つなど、相手を上回る11安打をマークしたが、あと1本が出なかった。

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富士大が無念の準決勝敗退を喫した。9回2死一、二塁、山沢太陽内野手(3年=啓新)が三ゴロに打ち取られてゲームセット。ベンチを飛び出し歓喜する青学大ナインの姿を、三塁側ベンチでじっと見つめ、涙を流す選手もいた。それでも安田慎太郎監督(38)は14年ぶりに4強入りした選手たちに賛辞の言葉を贈った。

「ベスト4まで来させていただいて、選手たちは『日本一になりたい』と言ってやっていたが、僕の方がちょっと弱気というか…。『2つ勝って』という話で、しばらく2つ勝ってないのが続いていて、負けはしたんですけど、成長を感じられて僕としては『よくやった』と言いたいです」

昨年までは絶対的エース金村尚真投手(22=日本ハム)がおり、それ以外が投げる機会は限られていた。今大会は計6投手が全国舞台で登板。それぞれが力投し、3勝を挙げた。リーグ戦で出番の少なかった新川、安徳駿投手(3年=久留米商)、佐藤柳之介投手(3年=東陵)も活躍。チーム力アップにつながった。

5回2死満塁、新川は3番手で登板。142キロ直球で空振り三振を奪い、ピンチを切り抜け、4回1/3を1安打無失点。「緊張を自分の力に変え、抑えられて良かった。秋に生かす投球ができた」。金村直伝のカットボールがさえ、自己最速を2キロ更新する148キロをマーク。直球も走った。

打撃陣はホームが遠かったが、3回先頭の麦谷が反撃のソロ本塁打を運ぶなど11安打。今冬、チームとして守備練習をあまりやらず、長打力を磨くためにウエートトレーニングや打球速度にこだわって練習した。4試合で4本塁打と安田監督も「取り組みは間違ってなかった」とうなずいた。

準決勝敗退も、投打で確かな手応えを得たのも事実だ。今秋の明治神宮大会で日本一をつかむためにも、さらにレベルアップして帰ってくる。【山田愛斗】