侍ジャパンのドラ1候補西川史礁、大会タイ記録7四死球で優勝も悔し涙「なんとか打ちたかった」
<全日本大学野球選手権:青学大2-1早大>◇16日◇決勝◇神宮
青学大(東都)が早大(東京6大学)に競り勝ち、11年の東洋大以来、史上6校目、8度目の連覇を果たした。
今春、侍ジャパンに選出された西川史礁外野手(4年=龍谷大平安)は、泥だらけのユニホームで「リーグ戦では3割を残すことができたんですけど、この全日本では本当に悔しい気持ちというか…それが強くて…。自分の甘いところが出たかな…」と話すと、ポロリと涙がこぼれた。
チームのために-その思いが、プレーに乗り移った。無安打で迎えた8回無死一塁。遊ゴロも一塁にヘッドスライディングで間一髪セーフ。西川は「何としても塁に出たかった」と目に涙をためた。いつも、強打でチームの勝利に貢献してきた男が、果敢に体を張ってチャンスを広げるのがやっとだった。
リーグ戦では中盤まで打率4割も、後半で徐々に調子を落とし3割1分8厘。リーグ戦終了後は1からウエートに取り組み、調整をして臨んだはずの今大会だったが、4試合で10打数2安打。厳しい内角攻めに、勝負を避けられ1大会7四死球は大会タイ記録。「相手も研究している中で、なんとか打ちたかったというのが正直な今の気持ち。ボール球を振らされることが多かったので、その球を振らず、甘い球に絞っていた。でも、今日も低めを打たされて…。自分の課題がしっかり見つけられたと思います」。
喜びに沸くチームに、心底笑えない自分がいる。「日本一をとれたうれしい気持ちと、周りのみんなに助けられたという気持ちと、自分が全然チームのために活躍できなかった悔しさがあります」と、複雑な胸の内を明かした。
目標の4冠へ。秋のリーグ戦もすぐそこだ。「チームとしても個人としても1らまた日本一に向けて。強くなれるようにやっていきたいと思います」。秋は、心から喜べる優勝へ-。悔しさの中にも、しっかりと前を向いた。